私は働く場所として外資系企業を選び、上司も日本人ではない環境を長いこと選んできている。こういう環境の方が私はただ結果に向かって努力すれば良く、面倒なこともすくなく働きやすいのだ。
今の仕事で私に求められている能力は、「データアナリストのスキル」と「英語での円滑なコミュニケーション」に加え、「決められた期間に結果をだすこと」である。
まずは仕事を可視化する
私個人の仕事能力は、低くもないだろうが、突出して高い訳でもない。月並みといったところなので、私は自分の仕事を見える化して管理し、客観的に把握できる状態にしている。
自分の仕事内容と自分の能力を大体把握してさえいれば、任された仕事がおおよそいつ完了するか想定することも可能だ。このように可視化されたリストを確認し、直近数週間の間に対応できる仕事についても簡単に分かるようになる。
上司が要求することに対しても可視化したリストをもとに適切な返答をし、報告しておいた通りの期日内に仕事をしていれば、普通に良い評価も与えられるのだ。
継続的にこの可視化した仕事リストを更新し、リスト化した仕事管理を続けることによって短期案件も長期案件も管理がしやすくなる。
仕事一覧リストでタスク管理
多くの企業では上司と定期的にワンオンワンをすると思うのだが、その時にリスト化した仕事一覧を利用したタスクマネージメントが出来ていると、現在の仕事状況を凄く簡単に伝達できるのだ。
その一覧さえ上司と共有しておけばワンオンワンをしなくとも、上司は私が何に対応中で、いつごろ次の案件に取り掛かるのか、またそれが何なのかもわかるようになる。
上司はそのリストを確認し、私の仕事量に加え、おおよその処理能力、この先にやらなければいけない案件をすぐに確認でき、私が対応する案件の優先順位変更も容易に指示できるようになるのである。
自分の仕事について丸わかりにすることを嫌がる人も少なからずいるが、私は丸わかりにせずどうやって妥当な評価をしてもらえるのだろうかと疑問である。
月並みな能力しかない者が、良い評価を勝ち取るためにはこの仕事一覧を用いたタスクマネージメントが有効であると思う。長期に渡りこの仕事リストをアップデートしていれば自分の仕事能力が伸びているかも一目瞭然だからだ。
まともに個人の成長を評価してくれる上司であれば、この仕事リストで可視化された履歴をたどり努力を評価してくれるだろう。
タスク管理の本当の意味
スクマネージメントをする本当の目的は、上司に高評価を与えてもらう為のものではない。タクスマネージメントは自分の仕事を最大限に補助してくれるお役立ちツールなのである。
その日自分がやらなくてはいけない仕事を拡張版仕事リスト一覧タスクマネージメントツールで確認し、漏れなく進めることができるのだ。朝の仕事始める時に当日、翌日に提出期限のある仕事がないかも確認し、滞りのない仕事ができるようになる。
これから手を付けなければいけない仕事もこのリストに優先順位をつけていれておけば次の次にやらなければいけないことも直ぐにわかる。
緊急案件が飛び込んできても、他の重要案件がある場合、それを優先して対応するべきかどうか即座に上司と方向性を決めることができるようになる。緊急案件によって他の案件の締め切り調整が必要になれば案件によって、私か上司がその調整を漏れずに行うこともできるのだ。
そういう飛込み案件も通常の仕事と同じようにタクスマネージメントツールにリストとして加え、一覧表に緊急案件フラグを立て、後日緊急案件がどれだけあるかと言うことまで考慮した仕事運用ができるようになる。
タスクマネージメントツール
私のタスクマネージメントツールとは、つまり総括的な仕事一覧ツールである。複雑なものを作り上げる必要はなく、総合的に取り掛からなければいけない仕事をリスト化して可視化し、優先順位をわかるようにして、自分の仕事能率を計れればよいのである。
タスクマネジメントツールとして出回っているWEBツールを使ってもいい。こういうWEBツールを利用すれば、いつでもやってきた仕事の振り返りをそのWEBツール機能を使い簡単にできるのだ。
WEBツールである必要もない。マイクロソフトのチームスがあればプランナー等のツールを使い仕事一覧を管理することも出来るし、エクセルで好きなように作成してもいいのだ。
私が最終的に利用したのは自分で作成したエクセルファイルのリストだ。結局エクセルが一番使い勝手がよく、必要に応じて直ぐに改修することもできたし、上司も使い方を学ぶ必要がなく使いやすかったのだ。
ツールの基本構造
- 取り掛かる仕事をおおまかに分割し、1件ずつ名前を付け、想定所要時間をつけ1行毎にリスト化する。
- リスト化した仕事を優先順位を考え、処理する順番に上から並べる。優先順位が入れ替わればリストの行も入れ替える。
- 各仕事リストには「対応中」、「未対応」、「完了」、「中止」の進捗ステータスもつける。未対応には待機中順位をつけて優先順位をつけてリストの並び替えを機械的に設定するのが望ましい。未対応の仕事リストが多すぎる場合は、直近1~2週間で対応できる分だけ優先順位を付与する。
- 「完了」となった仕事リストには、完了した日付や、作業に要した時間を加える。
このリストがあれば、自分の仕事の全体像が見え、パフォーマンスチャートの作成も可能になる。
リスト作成と項目
エクセルファイルはオンライン自動保存機能をONにし、リスト作成にはテーブル機能を使う
仕事1件に対し、1行利用する
必要な分だけ列を使い項目を作成する
- 通し番号 リストを追加した場合に自動番号を振りID化する
- 優先フラグ 未完了で2週間以内に対応する仕事に優先順位を入力
- 題名 仕事に対し簡易的な名前を入力
- 説明 おおまかな仕事内容を入力
- 想定作業時間 予想する作業時間を入力
- 締切日 締切日を入力
- 開始日 作業開始日を入力
- 完了日 作業完了日を入力
- 実作業時間 おおよその作業時間を入力
- 担当者 依頼者を入力
- タスク分類 データ抽出、分析、仕様書作成、データ検証等ラベル入力
- ステータス分類 作業中、完了、未対応、中止のラベル入力
- ファイルリンク 完成したデータのデータ保存先を入力
- 飛込案件フラグ 飛込み案件だった場合フラグを入力
- 起票日 リストに追加した日を入力
ツールのリスト情報を見直す
タスクマネージメントツールが作成できたらが、本当の始まりである。ツールは毎日、朝晩確認し、必要事項をアップデートし、仕事の期限についても確認する。
完了した案件を除き、リストは毎週もしくは、2週間ごとに総合的に見直しが必要だ。優先順位の入れ替え、先送りになっている仕事の確認などを上司と一緒に行い、課題を共有し、仕事の報告をする。
私はルーティンの仕事も同じようにリストに組み込み、ステータス分類にルーティン仕事として記録をした。
このルーティン仕事がリストされていれば私が毎週、もしくは毎月行っている仕事内容と所要時間についても把握することができるのだ。これにより私の1週間、また1か月に処理できる仕事の量が容易に可視化されるのである。
このリストがあれば、私が突然仕事を長く休んでしまう事態になっても、上司や助っ人が私の担当する仕事について知識を得ることができ、ファイルリンクをたどれば参考資料データにもアクセス可能なのである。
自分の仕事をこうしてひと手間加えて管理すれば、このリストが随分と優秀なアシスタントとなって活躍してくれるのである。
終わった仕事を振り返る
このタスクマネージメントツールを使い、完了した仕事についても振り返ることで色々と学習することが出来る。
振り返る時には仕事の完了日を、過去1週間~2週間と期間の選択をして内容を調べるのである。
それぞれの仕事の予定作業時間と、実際の作業時間と大きく乖離があったか振り返る。この学習を繰り返していれば、以前と似たような仕事をする場合の想定作業時間はより正確に予想できるようになるだろう。
飛込み案件についても、実際どれだけ飛込み案件あったかということを知るのは今後の仕事のやり方を上司と討議する時に重要な項目となる。
飛込み案件が多い場合、その仕事時間を捻出するためのフリーの時間が確保できる働き方を考えるか、飛び込み案件の出所に問題がある場合、上司が社内調整をする必要性が発生する。
こうしてタスクマネージメントを徹底していれば、何も理由も分からず仕事が終わらないということはなくなるだろう。
各自の能力可視化は悪か?
タスクマネージメントを行えば、各自の能力が自分にも他人にも分かるようになる。「そういうのは嫌だ」という人もいるかもしれないが、会社員なら自分の能力を知ってもらうことは決して悪いことではないと思うのだ。
これは世の中には足の速い人と遅い人がいるのと同じで仕方ないことだし、それを理解しなければ全員で効率的に仕事に取り組むことが難しくなると、前向きにとらえるべきなのだ。
これを理解してチーム全員でタスクマネージメントをしながらプロジェクトに取り組めば、相当効率があがるだろう。全員の能力が可視化され、能力が足りない部分を補うサポートプランや、強化プランを立てることができ、結果的には全員の成長に繋がるからだ。
チームとしてもマネージメントとしても、プロジェクトの進捗が可視化され、完了日の見通しもクリアならば、会社が考える理想の働き方になる気がする。
タスクマネージメントの恩恵
色々書いてきたが、「タスクマネージメント」には沢山のベネフィットがある。仕事のやり忘れ、締め切り忘れの防止もできるのも出来るし、何よりも自分の仕事の成果が一目両全なのである。
このタクスマネージメントツールと勤怠の情報を突き合せれば、時間外労働の問題を抱えていた場合にだって、解決の糸口になる。
私がタスクマネージメントをやっていて一番良い影響があったのは、上司とのコミュニケーションである。上司にとっても私の仕事が管理しやすくなり、認識のズレと言うものがなくなったのだ。
私は上司が重要だと思う仕事を優先して対応する必要がある。それを口頭でやりとりするだけだと、結局あれもこれも全部重要なんだと聞こえてしまうのだ。
しかし、タスクマネージメントツールを利用して話をすれば、より大事な仕事がはっきりし、提出期限を延ばしてもOKな仕事、少し後回しにしていい仕事がはっきりするのである。
上司は残業を強要するタイプの人ではないから、一緒にそのリストを確認しながら仕事の調整をすれば、私の時間外労働もコントロールすることが可能なのだ。
責任の所在をはっきりさせ仕事をするためにも、自分の抱えている仕事のリスト化はとても大事である。そのリストを上手に管理すれば問題も発生しにくく、上手く仕事を管理できていることになる。
上司が突如優先順位をひっくり返し、他の仕事が当初の予定り完了しない場合、それは私の責任ではなくなる。他部署や客先に謝罪が必要になった場合、深刻度に応じて上司が対応してくれるのである。
私は上司が指示する仕事を期限内に完了するように努めていれば信頼関係が生まれ、お互いに働きやすい環境ができるのだ。
仕事のリスト化をし、タスクマネージメントするのは一見、時間を取られ無駄に見えるかもしれないが、実際に使ってみれば自分を助けてくれる有能ツールであることを知ることになるだろう。
リストを見れば自分の仕事の能力を客観的に見ることができ、自分がどのくらいの量の仕事を一定期間にハンドリングできるかの判断材料にもなる。
自分の仕事についての聞かれた時、このリストを確認するだけででかなり正確に状況報告ができるだろう。「あなたの仕事について」なんて漠然とした質問に対しても、容易に報告出来れば、多くの人から仕事が出来る人と判断してもらえるのではないだろうか。