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葬儀屋が仕切る家族葬の葬式代に驚いた

日本暮らし

田舎住まいの両親宅を訪問し、田舎の幹線道路を走行していると数多くの葬祭場を目にする。それらの葬儀場数は、コンビニよりも数多く存在しているのではないだろうか。

高額な葬儀屋の葬式費用

結論から言うと、父親の為に葬式屋運営でこじんまりとした家族葬をやったのだが、100万以上のお金が掛かった。

両親は定年後に地方へ移住し暮らしていたため仕事関係の人を呼ぶ必要はなかったし、身内の殆どが高齢者ばかりだったから、我が家は敢えて人を殆ど呼ばずに本当に小さな葬儀を行うことにしたのだが、それでも神主さんへの謝礼を覗いても総額100万は掛かってしまった。

誰かに見せるわけではないからとオプション等を出来るだけ最小にして控えめな葬式にしたが、葬儀屋を使い、葬式をやれば相当金が掛かるのだということを家族一同学ぶこととなった。本当に経済的な葬式をするならば葬儀屋を入れてはいけないのだろう。

突如必要になる遺体搬送

父親は入院中に亡くなった。「もう本当に長くはない。」と病院の先生から宣告を受けた1週間後のことだった。しかし、それまでにも「もう、危ない状態だ」と、何度か言われたこともあって、父親が亡くなった時、葬儀について両親は少しだけ計画済みだったらしい。

両親は10年ほど前に、近所に出来た葬儀会社の熱心な勧誘を受けて1人分だけ会員になり、葬儀積立をしていた。だから、父親が亡くなった時には迷いなくその葬儀会社のお世話になることにした。

夜中の亡骸搬送車手配

父は夜中に亡くなり、病院からは直ぐ遺体を引き取る車の手配要請を受けたので、我が家は朝日が上る前の時間にその葬儀屋に電話をして車の手配をお願いした。

病院によっては霊柩車等を持つ会社を案内してくれる場合もあるらしいが、その病院では患者の家族自身で車を手配してもらうと言っていたから、現実的にもし身内が入院して先が長くないという場合は、少なくとも霊柩車や亡骸用の寝台車の手配についても考えておいた方がいいのかもしれない。

葬式もそうだが、そのような車の手配先についてもじっくり考える余裕なんてまるでないまま、至急手配をしなければならなくなるのだ。縁起でもないなんて言っていると苦労することになりかねない。

現実的に考えて、一応保険だと思って搬送可能な妥当な依頼先だけは調べておいても良さそうだ。

葬儀屋の一番安いプラン

父親の亡骸は、手際のよい二人の葬儀屋の手によって病院から自宅に搬送され、とてもスムーズにその亡骸を我が家の部屋に安置してくれた。私たちが用意しなければいけなかったのは、その亡骸を安置するための布団一枚だった。

そして葬儀屋の考える当たり前を前提にどんどん進める。亡骸の横には枕花を準備するものなのだと説明があり、自分たちで準備するか、葬儀屋で準備するか聞かれて母親は、枕花の準備をお願いした。その枕花から始まり、ここからどんどん有料オプションの追加が始まったのである。

葬儀屋はテレビ広告やら、ネット広告で葬儀のプランについて50万円を切る低額のパッケージプランを案内していても、実際にはその低額プランに含まれるものは葬儀をするには不十分で、結局色々と追加するから金が掛かるのは仕方ないのだと説明された。

必要アイテムも有料オプション

葬儀屋搬送係の男性二人が去り、数時間後に葬儀屋プランナーがやってきた。母親は通夜はやらずに、神式で葬式をやると決めていたので、葬儀プランナーは神式の為に「必要なアイテム」を次々見積に入れ、私たち家族に追加オプション選択を指南し、その見積りが仕上った。

我が家の場合、本当に最低限のものをと思っていたのだが、まず花代がかさむ。枕花に、納棺花、お別れ花に、送り花と促されるままに選び終了かと思ったら、今度は「祭壇花はどうするか?」と聞かれるのだ。一般的な祭壇花とは波打つように飾られた花で、すごく仰々しい感じのものである。

葬儀屋が準備していた祭壇花パッケージは最低が15万、次が20万程、その次が30万程で、我が家は祭壇花を不用品にしようとした。しかし、葬儀屋プランナーが「ほんの少しでいいから準備しましょう」と言い続けるので、仕方なく思い付きで「じゃぁ5万円分の祭壇花で」と、祭壇花をお願いしてみた。

確かに葬儀屋の持つ立派な祭壇を使った場合、祭壇花がゼロだと殺風景ではある。だから5万円分の4個のフラワーアレンジメントバスケットのお花は左右の上下段に飾られ、ささやかな花が我が家の葬式にはフィットしていたのではないだろうか。

ちなみに葬式当日は義兄の働く会社から立派な花が1対届き、左右にその花が飾られていた。その立派な花があったからこそ祭壇の見栄えが凄く良くなっていたのは間違いない。大きな企業で働くと届く花も立派なのだなと驚いた。

削れる部分は主に花代

我が家は、多くの物を最低限にしたから、喪主花は神式で飾る為の大きなサカキで代用することで落ち着いた。姉家族は葬儀の時の大榊に建てられた喪主札をみて、斬新だねといっていたが、個人的に私はなかなかよい喪主花代用品だと思えたし、人にはオススメ出来る。

この葬式を通じて、もしかすると古くからある町の花屋は葬式でビジネスが成り立っているのかなもと思った。我が家でさえ花に10万程のお金を掛けている。人を多く呼ぶ葬儀にはおそらく50万くらいの花代がかかるのではないだろうか。

しかし振り返ると、納棺花(2万)はまぁいいとして、祭壇花を5万円ではなく4万円にし、送り花(1万)と、お別れ花(1万円)を削れば3万円節約できた。単位が100万円だと3万程度が少額に思えるが、やっぱり1万でも少ない方が好ましい。

葬儀プランナーにアレコレ言われても家族葬なら、花は質素でいい気がする。故人の為に棺桶内を素敵に彩りたいとかの希望が無ければ、葬儀プランナーに負けずに「ウチは不要です」と言い切るのが一番だ。

神式に必要なアイテム

我が家は神式の葬式をしたが、実は祭壇作りには仏式よりお金がかかるらしい。大きな榊一対(4万円)だったり、海の物、山の物を準備しなければいけないのだと、小さな葬式なのにそう言う部分にお金が掛かることを学んだ。

母親は何より仏式のお線香の匂いが嫌いだったし、加えて戒名の心配をする必要もないからと、両親は神式について良く分からないまま葬儀を神式ですることも決めていたのだ。両親は長男夫妻ではなかったし、お墓ももっていないからまぁ何を選んでもよかったらしい。

神主さんへの謝礼

そして葬儀屋に支払うのとは別に、神式の葬式をやってくれる神主さんへの謝礼がある。その地域の神社は金額がほぼほぼ何処に頼んでも20万でやってくれるのだという。こうして母親は葬儀屋へ払うのとは別に、神主さんへの謝礼の20万を準備し、葬儀の前に神主さんへ謝礼を手渡した。

葬儀屋ビジネス

父親の亡骸は葬儀まで3日間程自宅に安置され、毎日数キロのドライアイスで冷やされていた。毎日葬儀屋がドライアイスの追加を持ってきてくれたが、そもれもちろん追加料金である。もともとのパッケージに含まれるのはドライアイス1日分しかないのだ。

しかし、やはり死亡届等の役所手続き、神主の手配を含む葬儀の準備、火葬場の予約に加え、自宅祭壇作りまで初めから終わりまであれこれと葬儀屋は手際よく全ての滞りなく済ませてくれたことは、葬儀をしたい家族にとっては相当助かる。

葬儀の見積もりには見えにくい諸々の手続きなども含まれていると考えれば、葬儀屋が取り仕切って進めてくれる葬儀運行には価値がある様に思う。もしも葬儀代としてのお金を親がのこしてくれるのであれば、葬儀屋を雇って簡単に葬儀を終わらせる選択というのもアリだろう。

当初見積もりが出てきた時、母親が「こんなにお金が掛かるんですか?!」と驚きと嫌悪感を感じたのは間違いない。しかし、100万強掛かっても、自分の手を煩わせずに滞りなく葬儀を済ませることができて最終的に不満はなかったようだ。

本当にお金を掛けずに葬式を身内だけでやるのなら、火葬場で納めの式というのをやるのが経済的でいい気がする。家族で色々準備したり手続きする必要はあるが、葬儀屋に介入してもらわずとも、一通り自分でも必要な事はすませることが出来るだろうが、恐らく結構手間はかかるだろう。

とはいえ、家族全員が悲しみに包まれている場合は、自分で葬儀に必要な準備をするのはきっと難しいと思う。

改めて自分が死んだ時に、簡易式で火葬場直送でもいいという人は、生前に家族に火葬場直送をお願いしておく必要があるだろう。

適当に簡単に済ませてといわれても意外にそれは悩ましいことだ。残された人の為に具体的にどんなふうな葬儀をするかということをきっちり伝えておくことは、残された家族もとっても助かるのではないだろうか。

私自身、火葬場に直送を希望する。私が残すお金があれば、そのお金は葬儀にではなく、みんなで美味しい物を飲み食いしたりして、旅行でもして楽しむために使って欲しいと思うのだ。

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