誰でも毎日の仕事について色々と思うことがあるだろう。不満を並べれば、上司、同僚、客、プロジェクトの進め方ときりがないほど永遠と出てくるものだ。
しかし実際は不満だけでなく、仕事の効率化を考えた進め方や、より良い選択肢についてだって沢山思うことはあるはずだ。
自分の意見を発言する
日本社会では必要以上に自分の意見を自粛してしまうことが多いように思う。「誰も自分の意見は必要としていない」とか、「自分なんて発言しないほうがいい」と根拠なく思ってしまうのだ。
実際にそのように思わせるような会社も存在するのかもしれないが、恐らく会社の経営者側からみたら、全員が意見を共有し、そこから最善を選択することを望んでいるのではないだろうか?
私は何か考えがあれば、例え下っ端であろうとその考えをチームの皆に適切な場で共有するべきだと思うのだ。これが出来なければキャリアを伸ばすことは絶望的ではないだろうか。
場違いなことを言いたくない、自分の稚拙さが露呈するのは恥ずかしいと思うかもしれないが、成長の機会を得ていること、プライドは100害あって一利なしと悟ったほうがいい。
発言することも慣れが必要である。慣れるためには訓練あるのみである。
会議で発言する大切さ
仕事のやり方一つをとっても、やる人が違えば何通りものやり方がある。一つだけが正しいわけではない。そのやり方についてチームで改善策ディスカッションの場が設けられたらその場で、自分が「責任をもって意見を共有できるか」が重要である。
チームメンバーだけのディスカッションだけじゃなく、新しいプロジェクトの会議や、問題が発生したときの対策会議と、仕事をしていれば日々「責任を持った意見が求められる」はずである。
そこに参加している限り自分の意見を持つことは必須であり、それを声に出して全員と共有することが出来なければ会議やディスカッションに参加する資格さえないとも言える。
「賛成、異議なし」という場合であっても、なぜ賛成で、なぜ異議がないのか説明できなければ本当に賛成であると言えないと思うのだ。
責任ある意見とは
「責任もった意見を発言する」とは、ただ何かを好きだとか、嫌いだとか言うことではない。
その好き嫌いに行き着く過程の説明ができたり、それをどんな風に改善し結果に反映できるか、また改善が不要な理由を説明し、相手が納得するまで話す準備があることだと思う。
大なり小なり、会議のディスカッションの場で、好き勝手言うのは誰でもできる。立場が上だからといって堂々と好き勝手を言う人も居るが、決してそれを真似てはいけない。
私がよく見てきた不毛なディスカッションとは、人のダメ出しばかりするだけの人が居る会議である。こういう人は邪魔なだけなので、可能なら会議に参加しないでもらう調整が必要だ。
特定の人を選び、弱いものいじめのようにずっと駄目出しをするような人も存在する。そういう人がいる会議にも参加をしたくはないとは思うが、そういう人たちはだいたい偉い立場なので、正直いって会議から除外するのは難しい。
会議の場から問題となる人を除外できない場合は、悪い見本と割り切ってやり過ごすしかない。しかし、自分が会議の運営をコントロールでき、内容次第では詳細を事前に詰める会議と題し、実務に近いことだからと偉い立場の人は外してしまえばいいのである。
面倒くさい人はスルー
特別偉いわけでなくても、人のダメ出しが好きなタイプの人はいる。そういう人はだいたい口が上手いから厄介である。私が、「では、あなたの考えは具体的にどうですか?」と聞けば、もっともらしい模範解答を答えてくるのである。
私としては「ありきたりの正論模範解答なんて要らないんだよ。」と毒づきたくなるが、この手の人はスルーするのが1番なのだ。一応、模範解答以外の対策方法があるかを再度確認し、なければスルッとやり過ごすのである。
ハッキリした意見を言う
シャイで何も言えないという人もいるかもしれないが、それは時間をかけてでも改善したほうがいいだろう。仕事場で、自分の存在価値を表すのに自分の意見を発言することはほぼ必須であるからだ。
そして発言をするなら、必ずハッキリと聞こえる大きさで聞き返されない話し方をする必要がある。
例え自分の意見に自信がなくても、発言する以上相手に聞こえるように言わなければいけないのだ。答えが分からず答えられない時にもそのことを、はっきりと相手に伝える必要がある。
ダメ出しをくらったら
自分がまとめなければいけない案件で、自分の提案に賛同を得られず、ダメ出しをされた時にダメ出しを断ち切る術も必要となる。
私はこういう場面では、会議の場であっても「もう一度練り直させてください」とキッパリ宣言し一旦幕を引くのである。ダメ出しの内容をしっかり聞き出すことは有効な場合もある。どこをどう直すべきかポイントが絞られれば解決に近づく。
強引にでも一旦幕を引き、改善点の対策後に上司と協力して案件を仕上げ会議に再度持ち込むのである。こういう働き方をしていると、ダラダラとダメ出しを受けなくなる。
多くの場合、ダラダラとダメ出しを受ける人と言うのは定番化してくるのだ。最終的には内容ではなく、人でダメ出しを受ける受けないが左右されることもあるのだ。
有言実行は評価される
責任をもって仕事をしていれば、自分の担当する仕事全般に自分の意見を持ち、その意見を共有することを求められるだろう。
それが出来なければ、上司やチームメンバーにも評価されず、キャリアを築くことは難しい。
仕事で高い評価を得るには、自分の意見を実務に反映し、仕事を進めることが必須だと思う。
結果として仕事が出来ているだけでは、なぜかインパクトが薄いらしい。仕事を進める過程で考えの共有をし、要所要所で報告すると、結果を出した時に評価されるのだと自己の経験から学んだ。
多くの会社で進捗管理に価値を置いていることも関係しているだろう。進捗報告時に、貴重なアドバイスを受ける事もあり、面倒でもそれを反映すればより良いものが出来上がることもある。
自分だけで自己完結していては様々なチャンスを逃すこともある。だから自分の仕事について幅を持って話すことができれば、自分の成長にも繋がるだろう。
訓練すれば意見を言える
私は「責任ある意見」を初めから言えたわけではない。小さな会議であっても部分的にさえ自分の意見を言うことは苦手だった。高卒だからなのか、若いからだったのか、必要以上に気持ちが萎縮していたのだ。
そんな私でも大いに変わることができた。自分で経験してみて思ったが、どんな場面であっても自分の意見を言えるかは、訓練と慣れの問題であるということだ。苦手だという人は少しずつチャレンジして克服していけばいいと思う。
自分の意見を言う練習方法
- 会議のトピックについて真剣に考えるところから始める
- 発言しなくても自分の考えをPCやノートに総括的に書きまとめる
- それぞれの発言内容を吟味し、総合的に評価してみる
- 少人数メンバーの会議で自分の考えを少しずつ共有してみる
自分の考えを共有する場所が増えれば増える程、慣れて経験値が上がり要領が得られるはずだ。
慣れないことをするのは難しいが、少しずつ実践していれば自然と意見の共有ができるようになるだろう。努力を続ければ少しずつ結果に繋がるのだから頑張って発言の機会を増やしていけばいい。
失敗してもいいじゃない。失敗は成功のもとなのだから。意地悪な人もいるけど、優しく教えてくれる人も沢山いる。努力をすれば報われるのだ。
答えが無い時の対処法
責任ある仕事を任されるようになればなるほど、意見を求めらることは増えるのだ。誰かが自分の仕事に関係あることを質問してきた時に備え、答えがない場合さえも答える努力が必要になるのだ。
上司や同僚から質問を受けた時に、答えられないなら「すみませんが今答えがありません。調査して報告しますので時間を〇〇程下さい。」と対応すればいいのである。
答えを出すのにどの程度時間が掛かるか検討もつかなければ「調査して報告します。3日以内に答えるようにしますが、その時点ではっきりした答えがない場合でも途中経過報告をします。」といった感じで答え、その通りに対応すればいい。
一次報告期限は長くても1週間以内が最長であると考えたほうがいい。多くの人が次の1歩まで1週間以上寝かせられると不満を感じるようだ。
自分が次の報告地点を1週間以上先にした場合、どのみち相手は「とりあえず1週間後には経過報告してよ」と、お願いしてくる可能性が大きいのだ。
相手にそう言わせた場合、「こいつは駄目だな。使えないな。」と思われたと思ったほうがよい。それを防ぐためにも出来るだけ早めのアクションを取る必要があるのだ。
担当者としての心構え
仕事を任されるという事は自分の担当業務に対して質問を受けた時、正しい情報を周りに提供できるのが当たり前のことである。
良く分からないことを聞かれたとしても、自分の管轄であると思うことならば、それは自分の知識を得る機会を得たと理解し、時間を取ってその質問に対する答えを求めることが正しいだろう。
誰かが何かをしてくれなくて仕事が進まないのであれば、途中経過報告期限を待たずに、そのことを即座に上司に相談したほうがいい。それをしないで途中経過期限を待って状況報告しているなら、指導が入り、仕事の進め方について見直しを迫られるだろう。
理不尽に思うかもしれないが、「誰かが何かをしてくれなくて進まない状況」さえも自分の責任になってしまうのだから、賢くアクションを取る必要があるのだ。
答えが予定より早く出ることもある。その時は期限を待たずして、即座に内容をまとめて報告するべきである。これを繰り返すことで信頼度は上がり、上司と次の優先事項の業務を確認し、他の業務をどんどん進めることができるのだ。
自分の意見に自信を持つ
仕事を任されプロとして業務を担当しているのなら、上司にも部門長職にも、役員に質問されたとしても自信をもってはっきりきっぱりと答えよう!
自分が報告したことについて「それは本当なのか?」と、お偉い人に聞かれた時でもキッパリと、「本当です」と言い切ることができないといけない。たとえ脅しがかった高圧的な質問だったとしても平常心で自信をもって答える強さも必要だ。
会社にはとても優秀なのにミーティングの場になると、はっきりと意見を言う事ができず上司にネチネチやられるような人が一定数いる。仕事が出来て優秀で真面目なのにコミュニケーション要領が悪く、低い評価を受けてしまうのだ。
不公平な感じがするし残念なのだが、こういうことは会社ではよくあることだ。シンプルなことだが、意見をはっきり言えるかどうかで要領が良い人、悪い人と言うように分けられ、評価の分かれ道となってしまうのだ。
せめて質問をもらった時の答えは、はっきりきっぱりと言い切れる仕事をしなくてはならない。
毎日努力している結果を、そういう時に見せつけることも「キャリアわらしべ長者の道」には必要なのである。