有名な名の知れた会社で働きたいと思っている人はそこそこ多いのではないだろうか？
中には「あの有名な〇〇に就職するのが夢だ！」という人もいるかもしれない。しかしその場合、その会社に入った後のことをしっかりと考えた方がいいだろう。
現代で夢見た会社に転職で入り、定年まで働く確率はどれだけあるのだろう？
外資系は定期的に大規模リストラが起こるし、同様に日本企業も今後は積極的に大規模リストラをせざるを得ない状況となる可能性もある。
勤務先を変えなければならなくとも、しっかりと自分のキャリアを築いていれば路頭に迷う可能性はかなり低い。それを踏まえてどの分野でどのように活躍したいかしっかりと考えてキャリアを考えるほうがいい。
私は無計画に働き、気づいたら運よくデータアナリストの専門職者となっていたが、それは私がたまたま派遣という業態で仕事をし続けたからである。
ある時から派遣社員として仕事を探すと、データを纏める経験が買われデータアナリストのスぺシャリストとして仕事が回ってくるようになっていた。
私は20代の頃、度々数か月単位で渡米をしていたこともあり、派遣社員として３ケ月単位で契約する働き方が自分にあっていた。それが私のキャリアの結果的にも私には最適な働き方だったのだ。
ある時以降、私は何かのスペシャリストになってしまえば、雇用形態がなんであれ仕事探しは非常に楽になると気付いた。
”キャリアわらしべ長者”を狙うなら、いったん会社の知名度や規模に固執する必要はないだろう。
スペシャリストとしてスキルを磨くのに職種や業務内容を選ぶことが大事で、勤務先ははっきり言ってどこでも問題はないだろう。
私自身の経験をベースに考えた場合、
”仕事をしながらスキルを習得する”ならむしろ小中企業の方が広範囲に渡り学べる環境が得やすいと思う。
今では私も専門職スキルを持ち、大きな会社で役職と高い収入を与えてもらっている。だが、20歳で初めて正社員採用してもらった時のスキルと言えば「笑顔で元気に挨拶ができます」とかそんなもんだった。
その社員10名程の会社で雑務を含む事務仕事をやっていなければ、「自由にパソコン使って勝手に覚えてね」なんて言ってもらえる環境も与えられなかった。
そしてここでパソコンを学ばなければ、この後に派遣社員で働くコンピュータ製造会社でのパソコンの仕組みを理解する派遣の仕事っていうのもなかった。
経験が浅いうちは、先がどうなるかなんて分からない。
まずは”与えられた仕事を完了してみる”、それが出来たら、許可を貰って頼まれていなかったこともやらせてもらい、自分で成長する道を切り開いてみればいいのではないだろうか？
頼まれてもいなかったことをやる場合は、まず頼まれたことをやり終えた事を伝える。そのうえで「時間が余っているので、xxxまでやっていいですか？」と確認は必ずしよう。
何か理由があってその先まではやらないないように考え、指示を出しているのかもしれないということも考えよう。自分勝手に好き勝手やるのはお金を貰っている以上はNGだ。
コミュニケーションをしっかり取りつつ、その先の対応をすることを忘れずに！
もともとお願いされてた仕事をしたうえで、可能な範囲で自ら進んでもっと仕事をすれば結果、感謝されることも多いし、自分の成長につながり一石二鳥だ。
こうやって”お金を貰いながら自分のスキルを伸ばす”のが一番いい。
ビジネススクールに通ってスキルを付ける方法もあるけれど、一番効率がいいのは実務からの学びで、実践から応用も学んでしまえば、パソコン系は資格保持者より実務経験者が有利になる。
私がスキルを身に着け、専門職のキャリア転職で入社した会社は、書類の上では社員数が３０名程度の会社だった。実態は顧客と業態で分社化している大企業の一部で、その分社化されたひとつの会社に入社をした。
配属替えがあると所属する会社が変わってしまうというようなことが起こり、私も移動で小規模の事業会社から比較にならないほど大きな規模の事業会社に在籍が変わる経験もした。
実態が大企業という、顧客と業種などで分社化させた会社で働いたので、社内インフラなどは各事業会社で大企業クラスの環境が与えられていて、ハードウェアもソフトウェアも申し分ない環境だった。
私が初めに転職して担当した仕事は、一番小さな規模の分社化された事業だったから自分のデータ分析系の仕事のほかに、少人数のメンバーででERPシステム拡張プランニングからリリースまで関わった。
グループ全体に対する全般的なITインフラ環境は整っているし、各種サポートは受けることができる恵まれた環境で、少人数メンバーがのそれぞれが、実に色々なことを広範囲で協力しあってシステム運用をする貴重な体験となった。
専門の助けが必要な時には大きい事業会社のそれぞれのIT担当者がスポットでサポートをしてくれるという実に恵まれた環境で仕事をさせてもらっている。
私のそれまでの”データアナリストキャリア”は準備されたレールの上で仕事をする環境にあった。”作られたデータセット”を利用し、”データアナリスト”として分析レポートを作成し、まとめレポートを作成するのが仕事だった。
しかし、この分社化された会社は若く、システムも万全な状態ではなく、”データセット”なんてものも存在しない状況で、生のデータがデータサーバーにドドドーンとあるだけだったから私ははじめ誰がデータセットを作ってくれるのだろうか？とのんきに考えていた。
少人数でのオペレーションとは実に時に残酷な状況を生む。私が考えたように周りも考え、データセットの作成について、周りはデータスペシャリストの私が適任だと判断した。
膨大な情報が格納されたシステムデータサーバーから作成する、レポートの素となる”データセット”のデザインから私がやることになった。
この仕事が与えられたこと、苦しみでしかないような面もあったが、結果としては物凄く私のキャリアに幅と奥行きを与えてくれた。
こんな仕事を経験させてほしいと思ってもなかなか与えられるものではないだろう。
私はこの経験から”ERP(エンタープライズリソースプランニング)”と呼ばれる企業の会計や、在庫、販売など多岐にわたるデータを総合的に処理するソフトウェアについて学習し、かなりの知識を得ることができた。
この一連の仕事をしたおかげで、私はこの先ITとしても働けるようになった。
会社に”データセットがないと知った時、始め私は本当に途方に暮れてがっかりした。どうやって仕事をしていけばいいのか思い悩んだときIT部署の人に「自由にレポートデザインすればいいよ」と言われて腹もたった。「誰がやるんだよ！？」と。
良くも悪くもこの会社は、自分で道を切り開かないと生きていけない会社だ。そして「経験もないし、どうすればいいのかわからない」は仕事を進められない理由にならない会社だった。
おそらく本当に出来ないと考えてしまうような人は生き残れない会社だろう。
数年この仕事を継続すると、私も社内ERPの仕組みについて人に説明できるようになった。誰かに聞かなくても、システム内でのデータ連携も自分で調べられるようになり、拡張機能の提案も出来るようになった。
こうしてお金を貰いつつ、私は特殊な学校に行かずしてERPの根本的な仕組みを理解できるようになった。
世間ではどのERPがいいかと色々討議されているが、結局のところ車と一緒で基本構造はどれも大してかわらないと私は思う。どのERPも大した違いはなく、重要なのはどのERPソフトかではなく、どうやってそれをビジネスに合わせて構築するかじゃないだろうか？
よくSAPがいいと多くの人がいうが、私はそれはSAPはシステムデザイン構築にかけるコンサルが手厚く現実的なデザインをしているとか、自由度をある程度規制してコントロールしているに過ぎないのではないか？と思うがこれについてはERPのプロという人にいつか聞いてみたい。
常識的に考えれば専門性の高い企業ERPなんかを、ど素人の私がプランニングするなんてありえないことである。通常このようなシステム環境を持つ会社では業務が分業化されていて、私の様に多岐にわたってERPに関り知識を得る事は稀だろう。
私の場合、たまたま小規模な事業という枠組みの分社化された会社に入社したおかげで様々な体験ができた。本当に運がよかったと思う。
この経験のおかげで私の転職市場価値が更に上がり、可能性が広がった。
「絶対無理！自分には出来るわけない!!」と思う仕事が降ってきたとき、直ぐに諦めることも出来る。だけど諦めなければどうにかなる可能性だって沢山ある。
「助けてくれる人が与えられるか？」「手伝ってくれる人はいるか？」「教えてくれる人はいるか？」ということが大事だ。
だから”日頃から可愛げをもって仕事をすること”はとても大事で、 コミュニケーションに可愛げを持とう！
誰にでも毎日笑顔で挨拶をし、可愛げをもって努力を惜しまず仕事をしていれば、助けてくれる人は不思議と現れる。
”諦めずに、可愛げを武器にとにかくチャレンジ！” 気が付けばそのうち意外にどうにかなる。
小規模ビジネスで仕事をするベネフィット
- 広範囲に仕事をさせてもらえ学びながらスキルを伸ばせる可能性が大きい
- こじんまりとしたオペレーションなので新しい分野の仕事を習える可能性あり
- 1年以上継続して働けば、信頼を得て小さな改善などから任せてもらえる可能性あり
