近頃は、誰かに料理を振る舞う時、必ずアレルギーがあるかどうか確認するのが普通になった。日本でも多くのアレルギー持ちがいるが、アメリカのアレルギー持ち人口は日本のそれとは比にならないように思う。加えてベジタリアンとか、宗教上の理由制限もあるから余計に厄介なのだ。
ゴム手袋で皮膚炎発生
私のアメリカ生活必需品のひとつにゴム手袋があった。私はあまり食洗器を使わないから食器洗いでゴム手袋を使い、強めの薬を使い掃除をするにもゴム手袋を使っていた。庭仕事をするのにもミミズやあらゆる虫等との直接接触を避ける為にも私にとってゴム手袋は必需品だったのだ。
そしてこの春、裏庭のコンクリをペンキ塗装することになり、私は下準備のために数時間かけて高圧洗浄機でそのコンクリを洗ったのだが、洗浄作業は素手でも全く問題なかったのに私はなぜかゴム手袋をしてその作業を行った。
その日私は、数時間に渡ってゴム手袋をしたまま作業をし、ゴム手袋の中の私の手は汗ばんでいた。結果、私の手の甲から腕にかけて数時間後に強い痒みを伴う炎症を起こしたのだ。しかし、この時点で私は自分がゴムアレルギー持ちだとは気づいていない。
私は初め、ポイズンアイビーと呼ばれる植物にうっかり触れて炎症を起こしたのかと思っていた。しかし、植物による炎症は他の部位に広がりやすいのに今回はそれが全く無い。炎症はゴム手袋に隠れた部分だけに収まっていたことから、ネットで炎症理由を調べるに至ったのだ。
私もうすうす、湿疹理由とゴム手袋着用に接点があるのではと思ってはみた。しかし、私はゴムアレルギーなんてものが存在することさえ分かっていないから、ゴム手袋着用による蒸れによって皮膚炎を起こしただけだろうと安易に考えつつ、情報収集を始めた。
ゴムアレルギー発症理由
「ゴム手袋」と「湿疹」という検索キーワードは、早々に「ゴムアレルギー」という検索結果を導き出した。そんなアレルギーが存在するなんて知らない私は、早速ゴムアレルギーについてどんなものなのか少し深堀してみると、自分がゴムアレルギー持ちであることを初めて知った。
“天然ゴムアレルギーは、長期的な使用により感作(アレルギーが成立すること)され、その後接触するたびに症状が出やすくなるのが特徴です。また、アレルギー以外でも、手袋内が蒸れることで「汗疱」などの刺激性皮膚炎が起きることもあります”(Google検索AI Overviewから引用)
現在流通している手袋は、天然ゴム製と合成ゴム製があるらしい。手袋によるラテックスアレルギーは、仕事や家事で長期にわたり天然ゴム製の手袋を使用することで手袋から溶け出したラテックスアレルゲンが皮膚から侵入して、感作がおこるのだという。
感作すると、体内にラテックス特異的IgE抗体が作られ、その後も接触していると手の皮膚のかゆみ、発赤、じんま疹が出るようになる。さらに悪化すると、喘息発作のような呼吸困難、アレルギー性結膜炎・鼻炎の症状、さらにはアナフィラキシーを起こすこともあると記載されていた。
ゴム手袋多用でゴムアレルギー発症
このアレルギーになりやすい人は、医療従事者、介護従事者、製造業などで天然ゴム製手袋を頻用する人らしい。そして、私もきっとゴム手袋の多用によりゴムアレルギーを発症してしまったのだ。
ゴムアレルギーの症状としては天然ゴム成分(ラテックス)に対するアレルギー(即時型:じんましん等)や、手袋に含まれる化学物質に対するアレルギー(遅延型:湿疹等)があるのだという情報も得た。
今回私は、長時間にわたってゴム手袋着用し作業をしたうえに、手袋内が汗ばんだ状態でゴム手袋の着用を続けてしまった。そんなわけで私の手から手首周り全体まで刺激性皮膚炎の「汗疱」を起こしてしまい、その後2週間ほどの間、酷い痒みに耐えなければいけない日々が続いた。
思い起こせば頻繁に、両手の親指の付け根らへんに痒みを伴う小さな湿疹が度々発生し、都度、「何で湿疹?」と、数か月くらい前から疑問に思っていたのだが、今回の「汗疱」で全て腑に落ちた。私は少なくとも数か月前からすでにゴムアレルギーになっていたのだ。
皮膚炎を起こしたら薬に頼る
「汗疱」を引き起こして酷い痒みに悩まされた私は、以前別の皮膚炎を起こしたときに皮膚科医から処方してもらったステロイド剤入りの軟膏を二週間に渡り塗りつづけることでこの炎症を乗り越えることが出来た。
本来ならば皮膚科医にいくのが正解なのだろうが、アメリカで医療機関にかかると相当なお金が掛かる。もし、自宅に皮膚炎用のステロイド剤入り軟膏がなかったら、きっと私は近くの薬局に行き、そこの薬剤師に相談して市販薬を買いその場をしのいだだろう。
恐らく、アメリカで薬局に行き相談して適当な薬をみつけることができれば、それがお金を掛けずにできる応急処置なのだと思う。しかし、場合によっては薬局の薬剤師からもクリニックに行くことを進められる場合もあるし、私にも正解なんてわからない。
だから、とりあえず自分である程度折り合いをつけて、判断することも必要なのではないかと思うのだ。私は、今回の「汗疱」を手持ちの軟膏で落ち着かせることができ、日々痒みは少しずつだが和らいで、2週間程経つと皮膚は正常な状態に戻ってくれた。
ゴム手袋利用を諦めない
私はオフィスで仕事をしていた時、輪ゴムが愛用品で、いつも手首に輪ゴムを2本くらい掛けていた。USBケーブルやイヤホンケーブルをまとめるにも、名刺を束ねるにも、基本は輪ゴムを使った。昼食時、髪の毛を結ぶヘアゴムが無ければ、私は輪ゴムで髪の毛を纏めたりもした。
輪ゴムといい、ゴム手袋と言い、私はこの10年間の間ほぼ毎日輪ゴムを身に着けていたのだ。しかし、自分がゴムアレルギーになってしまった事を知った以上、愛用していた輪ゴムやゴム手袋を今までと同じように利用することはあり得ない。
それでも、強い薬品を使ってお掃除をする時なんかには、これからもゴム手袋を使いたいと思うから、私はゴム手袋の内側に装着する腕まで隠れる布製の手袋を探す必要がある。
ちょっとヘンテコだが、ウェディングドレスのお供となるような、肘あたりまでの長さのあるサテンの手袋なんか私の用途にぴったり合うんじゃないだろうか?
まさか販売者もそれがお掃除用なんて思わないだろうが、私にとっては使い勝手のいいお掃除用ゴム手袋の内手袋となりそうだ。
とりあえず、輪ゴムについては手首に掛けるのは諦めて、友人から「それは止めとけ」と注意を受けるまでは財布にでも巻き付けておこうと思う。

