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アメリカでの子供のお弁当

アメリカ暮らし

幼稚園や学校に持っていく子供のお弁当準備は毎日のことだから大変だ。

自分が子供の頃も母親が早起きして私のお弁当を作ってくれていた。毎日の食事の準備だけでも大変なのに、手間を掛けて毎日のようにお弁当を作ってくれていた母親に脱帽する。

日本のお弁当文化は皆の知る所だとおもうが、アメリカの子供たちはどんなお弁当を食べているのか知っているだろうか。

日本式のお弁当を思い描き、かわいい我が子の為に手が込んでいるアメリカ版の弁当があるのだろうとは思わないだろうか?

私は20年近く前にアメリカで1年間オペアというプログラムで住み込みのベビーシッターをしていたことがある。1年間の間、月曜から金曜の朝から夕方まで子供の世話をするのが私が仕事だった。

ということでお弁当の準備も私の仕事のひとつで、ホストファミリーのホストマザーにお弁当準備の要領を習い、この期間私が毎日子供たちのお弁当を準備していたのだ。

私の朝は、子供を起こす所から始まり、お弁当を用意し、朝ごはんを食べさせ、学校に送り出すのがルーティンだったので、「お弁当を作るのに一体私は何時に起きればいいのだ?」と不安に思っだが、一瞬にして私の不安は吹き飛んだ。

なんとお弁当を準備するのに要する時間は10分もいらないのである。そして火を使う事も無ければ、電子レンジすら使う必要がなかったのだ。

日本式の健康に気を使ったバランスの取れた食事がとれるお弁当は本当に素晴らしいと思う。しかし私はアメリカのめっちゃ簡単なお弁当でも結構元気に育つ子供たちを見て、手抜きの適当なお弁当もなかなかいいではないか!とすっかり考え方が変わってしまった。

毎日沢山やることがあって大変だと思う人にとって多少手を抜くという選択肢は必要不可欠だ。子供のお弁当だって毎日のことなのだから準備が楽であるに越したことはない。

子供たちはだいたい皆お弁当バッグを持っているのだが大きさは20cm x 20cm 位で正方形に近い形の深さ10cm位の外側は色々なデザインが描かれた、内側は防水加工されているバッグだ。

典型的な中身といえば、アメリカの薄っぺらい小さな食パンの片側にピーナッツバターを塗り、もう片方にはグレープジャムを塗ったピーナッツバター&ジェリーサンドイッチ(Peanut Butter & Jelly Sandwich)がメインとして入る。

野菜は、スーパーで売っている皮を剥き5cm位に切ってある人参を3~4本小さなビニールに入れる。それとポテトチップか、ドリトス等のスナック菓子の小さな袋を入れ、ジュースパックをひとつ入れる。

これでお弁当の一丁上がりなのである。「マジで?」と言うくらいに子供達のお弁当の準備はこんなに簡単だったのだ。

そしてキンダーガーデンという小学生1年生になるひとつ前の学年にあたる幼稚園に入ってしまえば、昼はカフェテリアが利用でき、好きなものを自分で買えるようになって毎日お弁当を持って行かなくなるから更にお弁当の準備に手がかからなくなるのだ。

お弁当の中身に戻るが、主食として持たせたものは食べ残しの冷凍のピザスライス1枚などもあった。冷凍の状態のピザを1枚ビニール袋に入れて持たせれば昼には丁度解凍されているという仕組みだ。

他にはクラッカーとブロニア(Bologna)というソーセージを一口サイズに切って持たせたりもしたが、時にはポップタルト(Pop-Tarts)というまるで「お菓子でしょ?」というようなアイシングがかかったジャム入りクッキーも主食としてお弁当に入れた。

他の副菜は、子供用のチューブに入った甘いヨーグルト(ゴーグルト)だったり、カットしたリンゴや、種無しブドウを5~6粒入れたり、セロリスティックもいれたが、野菜と果物は大体いつも持ち帰ったお弁当バッグに綺麗に残っていた。

チップス袋以外のおやつといえば、小さな袋に入ったグミのようなフルーツスナックロールアップスキャンディーにスニッカーズなどの小さなチョコレート菓子を入れることもあったが、誰もが予想できる通りお菓子が残されることは一度もなかった。

こんな風にアメリカの子供のお弁当とはなんとも簡単なのである。そして気に入らない物は食べずに残してしまうので、さすがに殆ど食べないという状況になるのは困るから、基本的には子供が好きな物を入れ続けるのだ。

私がお世話をしていた子供達は3人いるのだが、すでに全員20代となり、かなり健康で元気にやっている。当時は嫌だと言って殆ど食べなかった肉も野菜も大人になった今では全員何でも食べれるように育っているのを見るとホッとする。

アメリカでのベビーシッター経験から子供のお弁当準備だけではなく、毎日の食事だったり、お風呂だったり色々な事から「子供を育てるのに色々とそんなに頑張らなくてはいいんだな」と知ってからすっかりなにか気楽になってしまった。

しかし全てが手抜きな訳ではない。アメリカのホストファミリーの家のお父さんとお母さんは毎日はっきりと分かる形で子供達に愛情を注ぐ姿を見せていた。子供達と一緒に家族全員で夕飯を食べ、食後には全員で一緒に遊んだりする時間をいつも確保していたのである。

どの親も子供には良い物を与えたいと思い、努力しているだろう。良い食事や教育に良い物資を与えることも大事だとは思うが、私には何よりも子供達は親と一緒に何かをする時間をしっかり取ることが大切に見えた。

ということで日本でも子供の為にお弁当を準備するお父さんお母さんは少々手抜きで楽しておいて、その分子供と過ごす時間を確保して帳尻を合わせてしまえばいいじゃないかと思うのである。

そんなことを言っても幼稚園や小学校がお菓子みたいなお弁当じゃダメだという声を聞いたこともある。子供に必要なものの優先順位を考え、こういう部分はもう少し柔軟で親に甘い社会になってもいいのになと思うのだ。

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