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定住しない仮住まい暮らし生活

日本暮らし

数年前からあっちで数か月、こっちで数か月というような暮らしを続けている。

その間、私がこの人生で溜めてきた私物はというと、まとめて納戸のような物置にしまわれている。

洋服はもともとそれ程持っているわけではないが、靴は人並み以上に持っている。バッグやアクセサリーも結構持っている。その他、絵画に、インテリア用品に、キッチン道具に、雑貨と、それほど大量じゃないが好きなものを何十年とかけて集めてきた。

しかしこれらの愛着ある品々の多くは今の私の日々の暮らしにはあまり登場しないのである。

アメリカを含め、海外に居る時には最小限の私物で暮らし、日本に居る時でも仮住まい状態で過ごしているので、私の私物は物置に置かれた状態で暮らしているのだが、これが何気にストレスなのである。

今まで集めた自分の好きな物の殆どを物置に入れた状態で、それらと離れて暮らす生活にだんだんと嫌気がさしてきた。

今まで頑張って働き稼いできたことを考えると、必要最低限の物に頼る暮らしには侘しさを感じるし、気が付くと我慢の限界を超えていたのである。

これまで私は自分がそれほどこの状態について我慢しているとは思っていなかったのが厄介な部分だ。しかしある時、私は我慢の限界を迎えて初めてこの仮住まい暮らしに対するストレスと自分が我慢しているという事実に気づいたのだ。

夫の希望で今の仮住まい暮らしをしているのだが、夫にしてみたら今までは私から「こういう生活でも別にいいよ」と言われ、特に気にしていなかったのに、ある日突然私からストレスをぶちまけられれたことになる。

夫にしてみればいきなりそんな風にされても「いい迷惑」というのも理解が出来る。しかし、私の限界はある日突然ふっと湧いたように出てきてしまった。

もし私が夫に「今のような生活は止めたい」と前から相談していれば、きっと今頃定住する暮らしのメドがついていたかもしれないが、私は自分のこういう気持ちに疎く、自分の気持ちに気づく前に自分の限界値を超えてしまうところがある。

私のこのような性格、よく言えば我慢強いとか柔軟性があるってことになるのかもしれないが、しかしいつまでもOKなのではないというのが他人にとっても自分にとっても面倒なのである。結果的には私は我慢強くもなければ、柔軟なわけでもない。

この仮住まい暮らしが1年未満であったらきっと何事もなく私は限界を感じることもなくやり過ごせただろう。ところが我が家の仮住まい暮らしは1年を優に超え2年近く経過しているのだ。

私はもう少し自分の気持ちに敏感になる必要があるということを今回のことでほとほと身に染みた。

夫はというと、この仮住まい暮らしにストレスを感じないらしく、彼の方は別にこのままずっと続けても大丈夫そうだ。こういうタイプと一緒にいると自分にはやっぱり限界点があるのだと、痛い目にあって気づくのである。

とりあえず夫に「仮住まい生活はもう止めたい」と伝え自己認識できたところまではいいのだが、こんどは何処に定住するのかという問題が迫ってくる。

日本で暮らすのならば今まで通り東京がいいのか、もしくは地方に住んでみるのがいいのか。

それとも我が家のアメリカにある拠点で暮らすのがいいのか、他の家をさがして住むのがいいのか。それとも日本でもアメリカでもない土地に住んでみるという選択肢もあると、「何のがいいの優先順位をつけて考えてくれ」と夫からリストが送られてきた。

夫は私の要望に真剣に取り組んでくれるのだが、なかなか私の頭と気持ちはついてこない。

恐らく夫のこのアプローチはとても現実的なんだろうが、こうも現実的かつ建設的に「何がいいのか?」と聞かれても、はっきりとした答えを持ち合わせていない人の方が多いのではないだろうか?

私も何がいいのかなんて断言できるような心構えもなければ、自分が望むものさえ分からない。2択であれば選択可能な気もするが、選択肢が5個も6個もあると何を選んでいいのか悩んでしまう。

一瞬の楽しみを求め、お菓子売り場でスナック菓子を選ぶのとはわけが違うのだ。

私にとっては、本当は東京で暮らすのが一番楽なのであるが、楽であるからと言ってなかなか東京がいいとは言い切れない。なぜなら夫は東京の暮らしはそれほど好んでいないからである。

それを考えると私が楽だからと言う理由だけで私が夫に東京の暮らしを許容するのは申し訳ない気がするし、それよりも二人とも気に入る暮らしが別にあるような気がする。

恐らく私は海外でもそれなりに楽しんで暮らせる気がするが、ひとつだけちょっと不安に思うことは、海外で仕事をすることである。しかし、不安がっていても何も始まらないので、とりあえず海外で働いてみないと決断は出来そうにないなと言うのが正直なところである。

ということで、もうしばらく私達の仮住まい暮らしは延長するほかないのだろう。

夫は私がイライラするのも我慢するのも良くないから、移動する度に「大荷物を持って移動してもいいんだよ」と言うのだが、数か月ごとにそんな大荷物をパッキングしながら移動するなんてちょっと現実的とは思えない。

私が自分の愛着ある私物に囲まれて暮らせる日はいつになることだろうか。

しかし本当に私に必要なのは、爆発することなく、一日も早く建設的に夫とお互いの希望を尊重した生活を協議できるようになるスキルなのだろう。

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