私は揚げ物が好きだ。好きな食べ物と言ったら、ポテトチップとフライドポテトだし、好きな日本食と言われれば、片栗粉で揚げた鳥の唐揚げだ。しかし、健康的な食事について考えると、好物の揚げ物について考える必要を感じるようになった。
食に気を遣う人口の増加
現在のアメリカは、20年前のアメリカと比べると食品に対する健康志向が強くなったように感じる。20年前の時点で、私がアメリカ人の食品に対する健康志向に気付いていなかっただけかもしれないが、今は確かに多く人から食に対する意識を感じ取れる。
私の身近にいる独り身の若者からさえも、食品に対する気遣いを耳にするようになった。それは、購入する食材を全てオーガニックの食材にするとかいう極端なことではなく、既製品を買うよりも原材料を自分で購入し、自分で調理するというシンプルなものである。
独り身の場合だと特に、ファーストフードを買う方が食材を買い揃えて調理するよりも安価で楽が出来るという社会の仕組みがアメリカには長く存在している。日本も遠からず同じ状況になっているだろう。
しかし、長い目でみれば独り身の場合でも作り置きさえすれば、家で調理する方が経済的だし、何よりも健康的だ。既に調理済みの物は実際、何が材料として加えられているか分からないからである。
とあるアメリカ人の友人は、日本では原材料が見える料理が多く、健康なものを食べていると感じがすると話していた。確かに日本では、切り刻み混ぜて原材料が何だか分からない状態になった料理だけを食べて一日が終わるということが少ないように感じる。
食用油に対する懸念
昨年から我が家で利用する食用油は、オリーブオイルとアボガドオイルである。フライパンでの炒め物類はすべてオリーブオイルを使い、揚げ物にはアボガドオイルを使うようになった。きっかけはサラダ油が健康にもたらす危険性を考えるようになったからだ。
オリーブオイルもアボガドオイルも決して安くはない。一般的なサラダ油と言われる植物油の値段に比べたら倍どころではなく、4~5倍はしていると思う。しかし、油は牛乳ほど減りが早いわけではないから、我が家では安価な植物油の購入を控えるようになった。
自宅での油を気を付けたところで、外食すれば通常の植物油で調理したものを口にすることになる。だからと言って外食を暮らしから省こうとまでは思っていない。まずは可能な範囲で、日常的な暮らしの中で出来る事から始めたのが自宅の油の変更なのだ。
植物油の危険性
日本でも植物性の油は安心だと長いこと言われてきたが、実はサラダ油は生活習慣病に良くないらしい。これは私にとっても相当ショックだった。なぜなら、私はスナック菓子が好きで、好きな味と言えば「サラダ味」だからだ。
私は砂糖系のお菓子は殆ど食べないが、油と塩の効いたお菓子が大好物だ。砂糖を取りすぎることはないから肥満についての心配は無いのだが、健康診断を受けるとコレステロールで注意を受けるようになった。接種している油分に問題があるのは間違いない。
何が正解なのか私自身まだ確証はないが、読んだ記事によると「油を控えることや、摂取量を心配するよりも、摂取するする油の質を見直さなければいけない。」というのだ。健康的な油へと見直すことによって、健康寿命も延びるというのである。
必須脂肪酸 リノール酸について
私たちの体には必要な要素がいくつもあり、そのひとつがリノール酸だ。リノール酸は必須脂肪酸で人の体内では合成できないから食事によって摂取する必要があるらしい。
これを逆手にとり植物油販売会社は盛大に植物油を宣伝してきたらしいが、人が必要なノール酸は、肉、卵、米、麦といった主食から十分に摂取可能で、植物油から摂取しなくてもいいというのだ。
リノール酸の注意点
問題は、リノール酸の過剰摂取で、心筋梗塞やアトピー、アレルギー症状を引き起こし、更には癌など様々な病気を引き起こす原因になるという。
加えて、リノール酸を200度まで加熱すると、毒素(ヒドロキシノネナール)が発生し、摂取し続けると脳内神経に悪影響を与え、アルツハイマー型認知症を引き起こすらしい。
私は油好きだ。炒め物も、揚げ物も、スナック菓子も周りの人より摂取頻度も高い。だから、余計に自宅での油について可能な範囲でコントロールしようと思い始めたのである。
アボガドオイル利用の菓子
健康な食生活を意識し始めてから、大好物のポテトチップスを購入する頻度を減らし、摂取量も落とした。第一の理由は、市場に出回っているスナック菓子は基本どれも食用油を用いて製造されているからである。
アボガドオイルや、オリーブオイルで製造されたポテトチップスも、販売はしているのだが、スーパーで探すと、数百種類並んだ棚に数個あればマシなほうである。私が特に好きなビネガー味のものを見つけても、お酢の味が殆どしないということもある。
とある友人にこの話をすると、「ノーマルのうすしお味チップスを買って、お酢を小型スプレーボトルにいれて自分で味付けをして楽しめばいい。」と助言を受けた。この友人はおやつも出来るだけ自分で作る様にしていると言っていた。
食品に気を付けようとすると、どうしても食費や手間が掛かる、だから生活にある程度余裕が無ければ健康的な食事をとるということは難しくなるように感じる。
糖分にも注意が必要
非常に多くの加工品に当たり前のように砂糖が入っている。この砂糖にも注意が必要だ。加工品を過剰に摂取すると、過剰な糖分摂取にも繋がり、健康的な体作りからも遠のいてしまうだろう。そして砂糖は様々な種類、また名称で原材料として加えられている。
懸念点の多いコーンシロップ
非常に多くのアメリカ食品材料のひとつにコーンシロップがある。コーンシロップはトウモロコシのデンプンであるコーンスターチを酵素や酸で分解して糖に変えた糖液だ。日本でも良く使用される糖分のひとつで、原材料にコーンシロップや、ぶどう糖果糖液糖と記載されている。
このコーンシロップも過剰摂取していると、重大な健康被害があるというから心配なのだ。肥満の原因となる事は勿論のこと、過剰な糖分摂取による糖尿病や内臓に負担が発生し、万病の元である上に、依存性まであるというから厄介である。
しかし、なぜ普通の砂糖ではなく、原材料にコーンシロップを利用するかと言うと、加工食品の糖分材料としては非常に使いやすく安価であるというのが理由らしい。
とういうわけで、コーンシロップを始めとする、健康的な体作りには、糖分摂取にも気を付けなければならないということだ。
健康的な体作り
健康な体作りというと、ひと昔前は運動に目が向けられていたが、実は食べ物による影響が大きいような気がする。50年程前のアメリカの映像なんかを見ると、痩せた大人が多いのだ。現代の様に横に大きくなった体を持つ人は少ないのである。
大きな変化は第二次世界大戦後の食生活による影響のように思う。それまでの食事は非常に高い動物性脂質を摂取していたと言われるのに健康的な肉体だったのだ。
戦後に食品を取り巻くサプライチェーンが発達し、朝食のシリアルだとか、電子レンジでチンするプレート食事だとか、加工品食事の増加によって、健康的な食生活が損なわれたようである。
そう考えると、日本も徐々に不健康な肉体へと変化を遂げているのではないかと思うのだ。ファーストフードやコンビニの加工食を主食にする人が増えている。しかし、それらの食品には家庭料理では使用しないような添加物が多く入るから怖いのだ。
そう考えると、ジムに通い見た目の筋肉を育てるよりも、健康的な食事をとる方を意識して、日常的な散歩などの運動を取る生活の方が健康的な将来を得られるのではないかと思うのである。