世の中には次々と問題解決できる優秀な人が沢山いるが、生憎、私はそのタイプではない。実際そんな人はほんの一握りしかいないだろうからガッカリしすぎる必要もない。しかし、大事なのは投げ出さないで諦めずに解決策を探すしつこさである。
出来る事から始めてみる
データアナリストとして仕事をしていると、あちこちから次々に新しい課題となる依頼がやってきた。「コレコレこういう指標が欲しいから、データをまとめてくれないか?」と、定義があいまいなままの相談を受けることが多かった。
サクッと計算できるケースもあれば、ソレを算出する為の数値が揃っていないというケースまで様々だったが、相談されるものは一筋縄ではいかない物が多かったのだ。
欲しい指標に対して、直接的に元となる数値が存在しない時には、あっちこっちの数値を持ってきて、代わりとなる代数を算出し目的となる指標の計算式が成立するか検証しながら進め作り上げる。
本当に優秀な人ならば、さっさと数式を組み上げ対応するのだろうが、担当である自分がやるしかない。私に出来ることは諦めずに、アレコレ仮説を立てて、要素となる数字集め、ひとつずつ式を試しながら時間を掛けて計算式を完成させるほかなかったが、それで良いのだと思う。
少々時間を要してもいい
周りで仕事をしていた人達は、私が比較的スムーズに頼まれた指標を準備していたように思っていたようだが、実際は結構時間をかけて指標を作っていたことのほうが多かった。自分の職を失う可能性はあるものの、優秀な人を雇った方が会社にとって経済的で効率的ではと、常々思ったものである。
幸か不幸か、私の所属していたビジネス部門のデータアナリスト業務には、面倒な仕事が沢山あったのと、予算の問題もあったので数学が得意で優秀な人を採用できなかったのかもしれない。
というわけで、会社側も仕事のスピードは月並みの私でも、時間をかけてでも計算式さえ完成させてくれればいいのだと受け入れていたと思われる。
データ準備は料理に似ている
私が指標作りで計算式を組立てるその過程はまるで、レシピを知らない料理を作るようだった。調理方法も味付けも良く分からないまま、「どうやったらレストランで食べたあの味になるのか?」というような具合で、試行錯誤で挑んだのだ。
試行錯誤でも、諦めずに一生懸命対挑んでいれば、勘がよくなる。そういった過程を繰り返すことで、作業に掛かる時間も短くなってくるものなのだ。
重要なホウ・レン・ソウ
作業のスピードが少々遅くとも、上司とタスクリストと予定の共有さえしておけば対応スピードについて文句がでることはなかった。タスクリストを併用しながらの進捗連絡ホウレンソウ(報告・連絡・相談)をしておけば、問題になることはないだろう。
日々の時間配分を考える
複雑な指標の計算式を作る時にはじっくり取り組む為に、その日のうちにやらなければいけない仕事は全て早めに片付ける。だから問題の計算式に取り掛かるのは夕方になることが多く、残業で対応したが、それでも計算式が完成しないことはよくあった。
その日のうちに片付けたいと思っても、どうしても答えに辿り着けない時には、何時間かけようが出来ない時は出来ないのだ。そんな時、私は夜9時を過ぎても終わりが見えない時にはその日の仕事は打ち切ることにしていた。
頭の切替が必要な時もある
一旦仕事を打ち切った時点で、既にひと通りの思いついた計算式については全部検証を済ませていることが多い。仕事の帰り道に、PCから離れ、それらをもう一度整理して考えてみるといい。
何時間もアレでもない、コレでもないと、延々計算式を色々試してしている時には解決策は見つからないのに、アプローチに悩み仕事を切り上げて帰宅しているとどういうわけか、ポっとヒラメキ解決策が与えられるのだ。
机のPCにしがみ付いて考え続けていても答えが出ない時には頭の切替が必要なのかもしれない。
結果不可能も許容される
仕事で依頼される指標というのは、直接的な算出数値がなくても、関連する数値が各種存在していることが多い。依頼されるその指標自体、各自が以前働いていた職場で扱っていた指標だったりすることも多く、大体2日費やせば、どうにか算出できるものが多かった。
2日費やしても算出出来ない指標は、私にはお手上げな代物として、代替案を依頼者と共に探ることで解決した。十分な関連数値を会社システムに持っていないこともあるし、直感的にムリだと思う時には、依頼者に「不可能」と答えつつ、一通りシステムを調査して可能な限りは検討はした。
代替案をもって対応すれば、基本的に依頼者が理想とした指標を提供できなくても、説明をすることで相手は納得してくれることが多いのだ。
ヒラメキは書き留める
私が指標算出するために費やした計算式作りは何度も行き詰まり、残業仕事から帰宅する帰り道でポっと閃くことが覆った。しかし、その数式を完成するための足掛かりとなるヒラメキを得たのに、うっかりそれが何だったのか忘れてしまうという経験もした。
帰宅途中に突如天から降ってくる解決策の糸口は、翌日には忘れてしまう可能性があるから、必ずスマホを取り出し、解決策を自分の会社メールアドレスにメールをするといい。
シンプルな計算式が良い
指標を算出する為の計算方法は1つではないことの方が多い。割り算を第一段階で使って、掛け算を第二段階に使ってもいいし、その逆にしてもなんの問題はないことが多い。
難しい公式を使っても問題ないが、私の場合、そんな知識はないから至ってシンプルな計算を利用する。誰にでも分かり易いように割り算を先に使った方が良いときもあれば、逆もある。しかし結果が変わらないのであればその辺は適当にやってもいいと思うのだ。
指標計算式が完成した時には、依頼してきた人に対し、どんな公式を使い計算しているのか、実際の数値を利用し、算出方法を詳しく説明するといい。というわけで、むしろ分かり易い公式で計算している方が丁度よいのである。
とにかく諦めずに進む
私が新たに指標の算出依頼を受ける時には、なんとなく2日、3日の内に算出できると思うと引き受けていたが、絶対に出来る確信があったわけではない。そんなんでよくデータアナリストとして働けたなとも思う。
計算式を完成できないまま帰宅し、帰り道で解決策を閃くことを期待するやり方でもどうにかなっていたのだから諦めなければなんとかなる気がするのだ。
仕事でもプライベートでも、問題を抱え解決策を探しているのに、幾ら考えても答えが見つからないという人は、ぐったりする程に解決案を考えてみた後は、全く違うことをして一度頭を切り替えることをオススメする。諦めずに取り組めばふとヒラメキが天から与えられるのではないだろうか。
解決策模索中に行き詰まったときの対処法
- 頑張るのを一時停止して試したことを振り返えりつつ、休憩する
- 締め切りの時間を考えながらも、一度違うことに手を付けてみる
- 何処からでもいいので解決策が与えられることを望み続ける