英語を不自由なく話せるようになりたいという人の声をアチコチで耳にする。実際、私も25歳の頃迄は同じように考えていたからその気持ちが良く分かる。
しかし、私が思うのはやっぱりコツコツと勉強するしか方法は無いと思うのだ。
英会話スクールの落とし穴
私は周りから「英語を話せるようになりたいが、どうすればいいだろう?」と相談されることがある。そして「英会話スクールに通おうと思っているんだ。」という話を聞くことも多い。
しかし私は個人的に英会話スクールは反対派である。
英会話スクールは英語学習をやった気にさせるだけで、なかなか進歩しない学習法だとしか思えない。
他に映画を見て英語を勉強するという話も聞くが、映画やドラマは結局、動画内容を視覚で理解してしまう部分が多く、私は「本当に動画から英語が習得できのだろうか?」と疑問に感じた。
英会話も、映画試聴も私も十分に試してみた。それで「こりゃ駄目だな」と思ったのだ。
英会話スクールが合う人々
既に英語での読み書きに困らず、単純に話す練習をしたいという人には英会話スクールでも良いだろう。読み書きが出来るレベルならば知っている文法で、単語を繋げ、会話の練習を重ねることが必要だからだ。
しかし、そのレベルに達していなければ英会話スクールは、お金を無駄にするに等しい体験をするだろう。結局ある程度の読み書きが出来るレベルじゃないと、会話をするための単語や文法が自分に蓄積されていない為、どうやっても口から言葉なんて出てこないだろう。
海外に住むだけでは英語上達しない
英語圏で暮らしたことがある人の多くが英語がペラペラにならないまま帰国することをご存じだろうか?
駐在の妻などがいい例だ。アメリカに数年住んだとしても勉強もせず、ただ日本人のお友達と過ごしているだけだと、英語で会話ができるようにならないまま帰国をする。
留学生であっても英語がペラペラにならないまま帰国する人は沢山いるのだろう。私が働いた会社の同僚に学生時代留学したという人が多くいたが、私は彼らの多くが、英語がペラペラでなかったことに驚いた。
それを考えれば、英会話スクールでの成長が難しいことも納得できるんじゃないだろうか。私の疑惑を信じられないなら、3か月でも半年でも英会話スクールに通ってみれば良い。
それで自分の英語が成長できているかチェックすればいいだけである。
とにかく、英語圏の海外で暮らしたことがあっても英語がペラペラにならずに帰国する日本人が実に多いのだと思った。
英会話の進歩を計るテスト
自分の英語が成長しているかチェックする方法として、自分について自己紹介でもしてみればいい。
2~3分間位、趣味か、家族紹介を含めた自己紹介を英語でするのだ。それをスマホで録音する。
そして、3か月後に同じように再度、自己紹介の音声を録音し、自分の成長を比較してみればよい。
こうやって、自分自身で英会話に通い始める前と、後での成長具合を聞き比べるのだ。
一番の方法はコツコツ英語学習
英語ペラペラへの道への効果的な勉強法は、結局コツコツと英語勉強をすることだと思う。
カタコト英語が話せるならば、私は頑張って英語テキストを使って継続的に勉強することを推奨する。
実に人気のない、気の進まない方法だろうが、このテキストコツコツ学習が地味に力になるのだ。
私自身もこの英語テキスト学習法を3年はやり続けた。
English Grammar in Useテキスト
このテキスト学習法は間違いなく私の英語の土台を作った。私の場合、学生の頃に勉強をしてこなかったから、英語の基礎土台がなかった分、このテキスト学習で学んだことは大きい。
私が使った英語テキストはケンブリッジの「English Grammar in Use」 という中級の英語説明が付いたテキストだ。
テキストのサンプルが確認できるオフィシャルサイト
https://cambridge-university-press.jp/material/giu_us/
このシリーズは初級、中級、上級とそれぞれレベルがある。私がこのテキストを使い始めた時の英語レベルは、怪しい部分はあるものの大学卒業レベルに達していたのでIntermidiate(中級)本を使用した。
私はアメリカ英語を学習したが、イギリス英語を学びたければイギリス英語版のテキストもある。
このテキストは英語で構成されていて、文法も英語で丁寧に説明してくれている。説明の後には練習問題もついていて、私はこのテキストブックで沢山の文法を学習した。
慣れるまでは英語で説明を読むのに苦労するかもしれないが、絵もあり、レベルに合わせた単語が多いから、何ページか学習すれば要領を得ることが出来るだろう。
英語での説明も、問題も、慣れてしまえばそれほど難しくなく進めることが出来ると思う。
自信がなければ、初級のBasicから始めるのもありだ。実は日本語での説明バージョンのテキストも存在する。「本当に初歩からじゃないと分からない」というなら、日本語版を使って始めればいい。
英語で英語を学ぶ大切さ
しかし中級レベルにチャレンジできる力があればやっぱり英語版で勉強する事を強くオススメする。
全体的な英語力を伸ばすのであれば、絶対に英語で説明を読む力を付けたほうがいいし、英語での問いに英語で答える力は必須だからだ。
このテキストで使われる単語はレベルに合わせて、簡単なものが使われているのから、効率的にこのテキストを使って英文を読む力も備えることが出来る。
このテキストで学ぶ英語は実用的なものが非常に多く、説明も本当に分かり易いのだ。
例えば、未来形の文章を書く時の”Will” か ”be going to” を使う選択肢があるが、どういう場合にどちらを使うべきかの使い分けも分かり易く解説してくれているのだ。
英語を話すための基礎的な文章が解説と共に沢山詰まっている優秀なテキストなのである。
文章を書いて英語力を高める
このテキストの説明文を読み、練習問題を解いたら、ついでに自分で文章をいくつか繰り返し書いて、覚えるのがオススメだ。
量も必要だから、簡単な日記のようなものをノートや、スマホに文章を作るといいだろう。
ランダムな文章を書きまくるのではなく、ひとつの事について書く練習をするのだ。
5行でも、6行でもいいから何かを書きまとめる練習をし、インターネットの翻訳ソフトで自分の文章の意味が通じるかチェックしてみながら始めてもいいだろう。
なにかひとつのことを取って書くのだ。暫くは簡単なものを取って書いてもいい。
食べ物についてでもいい。ピーマンについて、ニンジンについて、玉ねぎについて、ジャガイモについて、ポテトチップスについて、グミについて、から揚げについて、カレーについてと、しばらくネタが切れないもので練習し続ければいい。
例えば私がピーマンについて書くとする。
Green pepper is a vegetable. Green pepper is shiny green look out side but white inside. Green pepper is hollow inside, but it has many little white seeds on inside of the center top . Green pepper is a bit bitter therefore many children dislike it. I like pan fried stuffed green pepper with beef and pork mixed minced meat.
難しい文章を書く必要はない。簡単な単語を使って文章が作れればいいのだ。
初めから終わりまで簡単な文章で誰かに何かを伝えることを意識して書いてみればいい。文章を書くことに慣れてきたら難易度を上げて文章作成にチャレンジするのが良いだろう。
基礎知識ナシで英会話は無理
時間をかけてテキスト学習をし、文章作りを練習したものは身になる。
文法を学習し、文章を書きまとめる練習をしてから英会話を始めれば、絶対に効率的だ。
少ない語数でも良いから、自分で何かを説明出来る文章力をつけてから英会話を始めるほうが間違いなく英語ペラペラへの近道だし、英会話をやれば英会話力も伸ばせるだろう。
英語がペラペラになるのに、テキストを使った学習なしで習得するのはかなり難しいんじゃないだろうか。それは英語が日本語よりも文法ルールが明確だからかもしれない。
日本語にはない”a”や”the”の冠詞や、複数形の”s”の学びも併せて、しつこく学習することも必須に思える。テキストではその辺の説明も丁寧に書かれているから、まとめて全般的に勉強できるのだ。
英語に冠詞、複数形の使用は必須
日本に住む私の英語ネイティブの友人達に言わせると、日本人の英語は「a」「the」の冠詞や、複数形の「s」を意味も理解せず無視していて、それは傲慢だと思うという感想を何度か聞いたことがある。
これらは英語文法にとても大事なんだということだから、やはりこの辺もしっかり英語テキストで学ぶことは必要じゃないだろうか。
学校教育英語は見直し必須
私は日本の学校教育でも、この英語テキストで授業をした方が、よっぽど全員の英語力が伸びるのではないかと常々思うのだ。
私が覚えている学校の英語の授業は、日本語の授業と似たようなもので、教科書は長い文章を中心に学習をするように構成されていた。
しかし、一体何人の生徒がその文章を全体的に理解し、自分の文章として使えるようになっているのかと疑問に思うのだ。
外資系企業勤務で気づいたが、有名どころの大卒の同僚でも、英語での読み書きや、英語ディスカッションが出来ない人が多かった。これは日本の英語教育に問題あるとしか思えない。
私のように学生時代に「全然勉強しませんでした。成績も全然よくありませんでした。」みたいな奴が英語が出来ないのは理解できる。
しかし、学生時代に一生懸命勉強して、成績も良く優秀な大学に行った中高大で計10年間英語学習に時間を費やした人が、英会話が殆ど出来ず、英文をサラッと読めない結果を改めて考えると、日本の英語教育はこれまでずっと大失敗を続けているのだろう。
英語力の高い英語の先生求む
English Grammar in Useのような理解しやすい英語テキストを中心に、学の英語授業を英語のみで学習する方法は無理なのだろうか。
英語のテストは常に作文であることが理想だが、そうすると先生が生徒の書く文章を添削をする確かな英語力が必要となる。
だから、やはり英語ネイティブの先生が英語の先生をやればいいと思うのだ。
単語の意味を日本語で答えるテストが実用英語の役に立たないことは大体証明されている。
ということで、そろそろ日本の学校英語教育が変わることを期待する。
すでに社会人になっている人たちは学校教育の英語が進化したとしても、今さらどうにもならないので、私はケンブリッジのEnglish Grammar in Useを使って勉強することを何よりもオススメする。