私の仕事での一番の小道具といえばウィンドウズPCで使うエクセルである。エクセルがあるから、私は高給取りの仕事を得ていることは間違いない。
MACででもエクセルを使ったことはあるが、やはりエクセルはウィンドウズが一番である。
隠れいるパワーピボットを表に出す
私はエクセルを長い事使っているが、ここ数年の大ヒットはやはり「パワーピボット」一択だ。
パワーピボットはエクセルに標準で搭載されている機能なのだが、普通にアプリケーションを開いただけの状態だとパワーピボットのタブはリボンに表示されていない。
エクセルのリボンに「パワーピボット」のタブを出すには、エクセルのオプション設定のアドインから表示の設定をするため、デフォルトではチェックボックスにチェックが入っていないOFF状態になっているので、それにチェックを入れる。
これで日常的にパワーピボットを使う準備ができる。
エクセルでデータモデルが作れる
パワーピボット機能を自由に使いこなすまでには学習が必要だろう。私は理解するまでに数日以上の時間を要した。
パワーピボットの習得は少々難易度が高いかもしれないが、ソフトウェアエンジニアにならずして、「複雑なコードを書かないデータアナリスト」になるのであれば絶対習得した方がいいスキルだろう。
このパワーピボットさえあれば数分でデータのモデリングも作れてしまう恐ろしく優秀な機能なのだ。
データアナリストだけではなく、データモデリングの機能を作り出す開発チームの一員としてビジネスアナリストの仕事をするにも、パワーピボットでシステムサンプルを簡単に作ることだってできる。
私の担当する仕事でも2015年頃はまだ会社が莫大なお金をかけて作ったデータのモデリングシステムを使って分析データをまとめるしかなかった。
今でも多くの会社で多額のお金をかけてデータのモデリングをしているだろう。
開発の要らない直ぐ使えるデータモデル
最近のデータのモデリングのトレンドは、WEB版のBIツールで行うのが主流だと思うが、そのデモ版を自分でエクセルのパワーピボットを使ってサクサク作成できる。そして日常の分析業務に即使用できるのだ。
私が仕事でまとめるデータの規模であれば、パワーピボットでのモデリングでどうにかできることもあり、旧スタイルのモデリングにシステム開発者の予算と時間を費やすのは止めることが出来た。
今は必要なデータをまとめ上げたデータセットとデータマートに加え、WEB版BI化に予算と時間を使い効率的なシステム開発が出来るようになった。
WEB版のBI開発エンジニアには、パワーピボットで作ったデータモデルを渡すだけで、仕様書となるBRD (Business Requirement Document)を割愛して的確に必要になる要件を伝える事ができるのだ。
MSアクセスが不要になった
一般的な暮らしのテクノロジーの進化にも驚くが、エクセルに関わるテクノロジーの進化も感心する。私はこの「パワーピボット」と出会ってから既に数年経過しているが、今はデータの仕事をするには無くてはならない存在になった。
この機能のおかげで以前より何倍も効率的に私は仕事を回せるようになっている。
まずデータをまとめる為には「MSアクセス」が要らなくなったことも大きい。私がやりたいことはこのパワーピボットを中心に全部エクセルで出来るようになってしまったのだ。
難易度が高めで取っつきにくいパワーピボットだが、MSアクセスをある程度使いこなせる人や、ピボットテーブルに数式を埋め込む程度のスキルがあればきっと、パワーピボットも使いこなせるだろう。
副業で分析データツール作成
パワーピボットを学習して習得する価値は本当に大きい! 私にとってこのパワーピボットは打ち出の小槌なのである。
この機能が使いこなせるおかげで知り合いの会社のデータ分析ツールなんかも、頼まれればチョチョイと出来るようになってしまった。
改めて強調するが、パワーピボットは今のエクセルに標準で備わっている機能である。
パワーピボットの基本的な操作や構成は通常の「ピボットテーブル」と変わらないから、仕組みさえ整えてあげればパワーピボットを知らない人でも、ピボットテーブルが使える人なら容易に私の作った分析ツールを使用できるのだ。
パワフルなデータモデルメジャー構成
パワーピボットのすごい所は、データモデリングのメジャーの構成にある。数値算出能力機能が以前のピボットテーブルに設定してたものよりも桁違いに素晴らしい。
以前に働いた大きな企業では非常に高額なデータベースシステムから「モデリング」されたデータを用途に合わせて抽出し、データ分析していた。
それをパワーピボットのおかげで、自分で時間を少し割けば自由に作れるようになってしまった。
中小企業ではデータ分析システムに莫大な予算を掛けるのは難しいだろうが、エクセルだけでそれが実現できるようになってしまっているのは大事件だと思う。
私は専門的な勉強をしてこなかったので「モデリング」の説明を上手くは出来ないが、総計する数値を色々な切り口、形式を変えて算出できるように準備したデータの塊とでも言えばいいだろうか。
多くの大企業で、このモデリングされたデータを準備するのに目玉の飛び出るようなお金を費やし環境を整えているのを見てきた。それが今はエクセルひとつで同じようなことができるのだ。
中小企業でもパワーピボットを使いこなせるエクセルの魔術師を1人雇えばいい。そして社内で新たなエクセルの魔術師を次々育てれば莫大な予算がなくても、結構優秀なデータ分析ツールが社内の担当者で作成管理が出来るようになるのだ。
私の下手な説明では心もとないので、マイクロソフトのパワーピボット説明を引用する。
マイクロソフトウェブサイトより
この小難しい説明書を読んでもピンとこない人はYoutubeで動画を検索してみてほしい。きっと上手にパワーピボットや、データのモデリングなんかを説明してくれている人がいるはずだ。
お金を出しても習う価値あり
私は同僚のひとりにこのパワーピボット機能を使いこなしている人がいて、その同僚から学んだ。その同僚が作成したパワーピボットが格納されたエクセルファイルを譲って貰い、分解したり複製したりして学んだのだ。
私は昔から出来上がったものを分解と複製を繰り返すやり方で学習している。
それぞれ自分に合った学習方法をみつけてチャレンジしてみるのがいい。
エクセルの基礎を理解し、基本の関数とピボットテーブル機能とを既に習得していれば、あとは実践あるのみだ。
どうしてもパワーピボットを自分で学ぶことが難しかったら、これについてはスクール的なところで習ってもいいかもしれない。それだけの価値がこの「パワーピボット」機能にはある。
私のパワーピボットを使った副業
私はパワーピボットを使った副業を持っている。休日の時間を利用して、友人の会社の売上データ分析ツールを作っているのだ。
エクセルのパワーピボットで作ったの分析ツールを提供している。販売情報を色々な角度で分析する為にその会社のニーズに合わせて「データのモデリング」をしている。
通常の売上金額や売上点数のほかに、客単価、平均購入点数、購入頻度を簡単にまとめ、前年比や前月の比較も簡単に出来るのだ。
売上金額と購入頻度から構成する客層分類をまとめたチャートは、マーケティングアプローチプラン打ち出しの検討材料となって非常に役に立ったと言っていた。
継続してサポートし、都度新しい分析観点の必要が出れば都度計算メジャーを加えて改良を続けている。
副業もエクセルひとつで可能な時代になったのだなぁと、私は改めてテクノロジーの進化に関心した。
昔の知り合いが仕事をくれる
私に副業をやってくれと相談してきた友人は、以前私が働いた大企業の役員だった。データと言えばと、「高卒女の私」を思い出して連絡をくれたのだ。
友人曰く、外部の一流データコンサルタントをスポットで雇うと、都度百万単位で請求されるらしい。空いている時間に手伝ってくれと言われ、私にそこそこ稼げる副業が舞い込んできた。
どうやら私は、エクセルさえあればしばらく職に困ることはなさそうだ。
こんなにも優秀なツールだというのに不思議なことではあるが、仕事をしていてもまだまだパワーピボットの使い手に会う事は相当少ない。
しばらくこの先も私のキャリアに「パワーピボットは打ち出の小槌」として活躍してくれるに違いない。