日本では多くの人が、ゴミ出し方法を間違えたゴミが回収されずに注意書が貼られ、取り残されているのを見たことがあるだろう。
有料のゴミ袋を購入し名前を書いてゴミを収集するエリアもあるが、東京なら基本的なルールを守れば適当なプラゴミ袋にゴミを入れ棄てればいいだけだが、それでもたまにルール違反で取り残されているゴミ袋をめにする。
そして多くの場所で、ゴミ出しのマナーが悪い、ルールを守れてないと、外国人住民を嫌がる人が多くいると、不動産屋さんを営む友人から聞いたことがある。
日本人でもマナーの悪い、ルールを守らない人が沢山いるだろうが、私はアメリカに住んでみて、アメリカ人が日本のゴミルールを守るのに苦戦する理由を理解した気がする。
アメリカゴミ回収は有料サービス
普通アメリカの一戸建ての一般家庭ではそれぞれが有料サービスのゴミ屋さんと契約して、毎週ゴミの回収をしてもらう。
ゴミの回収契約を結ぶと、ゴミ屋さんは契約者宅に常備するゴミ屋さんのゴミ箱を貸し出してくれるシステムになっているのだ。
通常の一般ゴミと、リサイクルゴミ用の蓋の色が異なる2個セットのゴミ箱を準備してくれるのだが、このゴミ箱は余裕で大人が入れてしまうくらいの大きなゴミ箱だ。
だからなのか、ティッシュの箱等だけではなく、宅配便の段ボールさえも崩さずにそのゴミ箱にポイっと捨てるのは日常茶飯事なのである。
ゴミ出しの方法
通常この大型のゴミ箱は大体、家のガレージ(駐車場)の横など、家の外に設置をする。
家の中のゴミ箱がいっぱいになると、ゴミをその家の外の大型のゴミ箱に入れておいて、ゴミ収集日にゴミ箱を自分の家の敷地の中、境界線付近辺り道路沿いに置いておけば、ゴミは回収されるのだ。
この大型のゴミ箱の底にはタイヤが付いているので、簡単にこの大型ゴミ箱の取っ手を引いて、移動ができるようになっている。
そして、ゴミ回収の契約を解除すると、ゴミの最終回収日にはゴミ箱ごと一緒に回収されることになる。引っ越し時のゴミ回収の契約終了日は必ず引っ越しを作業が終わってからにしておこう。
アメリカ家庭でのゴミの分別
私は日本育ちだし、ゴミ分別には意識がある。東京の分別が緩いエリアに住んでいるが、カン、ビン、ペットポトル、それに燃えないゴミなどは家の中でも分別して、分けてゴミを出すことは当然だ。
アメリカでもリサイクルゴミ箱が存在するしと思ったが、この分別が想像以上に緩いのだ。
緩いリサイクルゴミ箱の分別
リサイクルのゴミ箱の蓋にはボール紙、ビン、カン、ペットボトル等入れるべきものの絵が描いてある。
これらリサイクル品をボンボン巨大なリサイクルゴミ箱に入れるだけなので、この取り扱いも相当に緩い。こんな回収の仕方をしてどのようにリサイクルに回すのかと疑問になる程だ。
それでも私は結構真剣に区別していたのだが、気が付くとみんなすごく適当なのだ。
夫を含めアメリカに住む誰もが、一般ゴミ箱に平気でビン、カン、ペットボトルも放り込む。そしてそれでも一般ゴミの回収も問題なくされるのである。
信じられない雑なゴミ回収
一般ゴミ箱の回収とリサイクルゴミ箱のゴミ回収は別のトラックが行うのだが、ある日我が家はゴミ箱をゴミ回収位置に置くのを忘れてしまい、慌ててゴミ箱を置いた時は一般ゴミは回収された後だった。
その後、間もなくリサイクルゴミの回収車が来た時に、夫がゴミ屋さんと楽しく会話を始めたら、気を利かせたゴミ屋さんはなんと一般ゴミのゴミ箱の中身までリサイクルゴミと一緒に回収してくれたのである。
リサイクルゴミを一般ゴミで一緒に回収という逆バージョンならまだ分かるが、「リサイクルゴミに一般ゴミを混ぜてしまうのか?」と仰天したのである。
それほどゴミの分別は「冗談でしょ?」と言うくらいに緩いのだ。実際ゴミのリサイクルなんて上手く回せているとは到底は思えないのだ。
大型のゴミが回収されるかは運
我が家には、以前住んでいた賃貸人が放置していったひと昔前の50インチの液晶テレビがあったが、先日とうとう処分しようとテレビ処分にとりかかった。
私はてっきりグッドウィル(リサイクル屋さん)にでもそのテレビを持っていくのかと思ったら、なんと夫はゴミ回収日に、回収ゴミ箱の横にポンっとその液晶テレビを置いたのだ。
まさか回収される訳ないだろうと思っていたのに、夕方になってゴミ箱の回収の為に外に出ると、なんと大型テレビも回収されていたのだ。
とりあえずゴミの日には何でも出してみるに限るってことだろう。
夫も回収されるか分からないが、回収してもらえない時に次の方法を考えればいいのだと言う。
アメリカでは多くの人がそういう行き当たりばったりのゴミ捨てをしているらしいことは近所のゴミ捨て状況からも見て取れるのだ。
ゴミ箱に収まらない段ボールも回収OK
通常ゴミはゴミ箱に入れて回収してもらうのだが、クリスマス時期やオンラインショッピングになると、大量の段ボールゴミが発生し、とてもゴミ箱に収まらないことがある。
もともとアメリカでは丁寧に段ボールを潰して畳んでゴミに出すということも必要ではない。シリアルの箱、クッキーの箱、箱類すべてアメリカはボンボンとゴミ箱につぶさず捨てるのだ。
だからキッチンにあるゴミ箱も直ぐにいっぱいになってしまう。
ゴミ回収用のゴミ箱に段ボールが入りきらない段ボールゴミは、ゴミ屋さんも問題ではないらしく、ゴミ箱に入りきらない段ボールはゴミ収集場所のゴミ箱横に並べておけば何の問題もなく回収されるのだ。
しかも潰さず箱のまま放置という状態でである。アメリカのゴミ捨て事情は、日本人にとっては想像を超えたものなのだ。
リサイクルのグッドウィル(Goodwill)
アメリカにも日本でいえばブックオフハードのようなリサイクルのお店がある。
グッドウィル(Goodwill)という非営利団体の組織が運営していて、誰もがこのグッドウィルに自宅の不用品をアレもコレも寄付品として持ち込むのだ。
持ち込んだものに対してグッドウィル側は寄付品のレシートの発行してくれて、これが税金の控除に使える仕組みになっているのである。
物をあまり捨てたくない人にとってもグッドウィルなら一石二鳥なのである。
非営利団体のリサイクルショップグッドウィル
https://www.goodwill.org
そしてグッドウィルの店舗では中古品屋としてこれらの寄付品に値段をつけて売っているのだ。私も以前取り急ぎでPCモニターが必要になりその場しのぎの為に買い物に行ったことがある。
破格の値段で何でも買えるのだが、機械類は全てジャンク扱いで販売していて壊れていても返品も出来ない。不要になったらまたグッドウィルに寄付品として持ち込めるだけである。
しかし、持ち込めない物も一定数あるらしい。先日私が、古いテレビを持ち込みたいと考えていたが、噂によると、PCモニタはOKだが、テレビは駄目という話を友人から聞いた。
意外にグッドウィルでの中古品の買い物も楽しめる。機会があったら大型店に行って、何か掘り出し物を探してみるのも楽しいだろう。
ボロボロでコレが商品なのかと驚く物も多いが、食器類などはなかなか良い物もある。
外国人へはゴミ分別説明が必要
このブログに書いただけでもアメリカ家庭ゴミの取扱いについて、日本の家庭ゴミの取扱いとは相当大きく異なることが分かるだろう。
そもそも日本とアメリカでは各家庭に求められるゴミの出し基準が全く違っている。
健康保険もそうだが、ゴミの出し方も仕組みがアメリカと日本では全く違うのだ。
日本ではゴミの回収は行政サービスになっているわけだし、ゴミの取扱いが違うのだということを、日本に住む外国人の人は知る必要があると思う。
日本に住んだらゴミ出しは地域の行政サービスで、ルールを守る必要があると外国人の人に説明しないと理解も難しいだろう。パンフレットを渡すだけではそれを真剣に読み守る人は少ない。
だから日本で住民票を作成する外国人の人には、役所で住民票を登録する時に家庭で取り扱う10分動画を見てもらうとかの対策が必要だと思うのだ。
このような対策をすればもう少し日本での生活の理解も得られるのではないだろうか?
地域によってゴミの出し方が全く違う。だから実は日本人にとってもそのような動画対策で、何がOKで何がダメなのか分かれば地域のゴミトラブルは減ると思うのだ。
私はその10分動画の為になら税金を使って対策費としてもいいのではないかと思うのである。