アメリカでスマホ歩きすることは殆どない。それは身を守るためである。
スマホに夢中になっていたら、暴行や略奪をする危険人物に気づけないかもしれない恐れもあるし、付近にいる車両に対する注意も必要だからだ。
スマホ歩きの代償を考える
日本は本当に安全であり、歩行者を必要以上に守るルールがあるからか、スマホ歩きで前方不注意な歩行者が相当数いる。
だが日本でのスマホ歩きに慣れ過ぎたまま、海外で同じことをするのは超危険なのである。
そもそも日本で歩道を歩いている時でもスマホ歩きは危険なのだが。
日本では基本的に歩行者はあまり過失を問われない傾向があるようだが、スマホ歩きで全く周りを見ず信号無視して車と接触事故を起した場合、さすがに歩行者の過失を問われるようになったことは良いことである。
ただ車側にドライブレコーダーがあり、信号の状態とスマホ歩きを証明できることが必要らしい。カメラなしでも無実な車側が事故の責任を負わされないよう街の監視カメラを駆使してほしいところだ。
同じことをアメリカでした場合、恐らくほぼ完全に歩行者の過失になるだろう。
アメリカでは車と歩行者の交通事故であっても、歩行者100%の過失を問われることもあるから、日本と同じだと考えて行動しないようにしよう。
日本の無謀な歩行者
日本の歩行者の話に戻るが、都心にはかなり無理をする人が結構いる。先日、夕暮れの六本木周辺でタクシーを捕まえようとしている一人の女性の行動を見て唖然とした。
歩道と車道の間にはガードレールが敷かれた車の通りが激しい3車線の車道に出て、タクシーを捕まえようとしているのだが、タクシーがなかなか来ない。
彼女は堂々と車道を歩きながら空きタクシーを待っていたらしいが、その女性は、周りもろくに確認せずに交通量の激しい車道を歩いているのだ。彼女の横を走らなければいけない車からしたら本当にいい迷惑である。
彼女ともし接触してしまう車がいたら、私は車を運転する人の無実を伝えたいと思った程だ。
アメリカで道を歩く時に気を付けるポイント
アメリカでは特に常に周りをよく見て歩くのが鉄則だ。いつどこに危険があるか分からない。
昼間であっても、目の前から明らかにガラの悪そうな人が歩いてきたら逆側の道を歩くという判断が必要になることもある。
アメリカの住宅街だと知らない人にでも朝すれ違う時に「Good Morning!」と声を掛け合うのが普通である。声が届かない時には手を軽く上げてジェスチャーで挨拶する。
住宅街では歩道のない道を歩くことがしばしばある。そんな時には車が走る車線とは反対側を歩くようにしよう。
自分が歩いている側と同じ車線側で対向車を迎えることになる。これはアメリカでは子供の頃にこのように車に対向して歩くようにと教えられるらしい。
危ない運転をしてくる車がいたら早くから自分の視界に入るので、自分で自分の身を守るために大きく車道から離れるなどの行動を取ることを教えられるのだ。
防犯目的の挨拶でもある
閑静な住宅街を歩いている時に車が通りすぎる時にはコミュニケーションとして運転手も歩行者もお互いに手を軽く上げ、ジェスチャーで挨拶をする。
お互いに不審者ではないという意思表示でもあるし、良いコミュニティーを作る意思のひとつなのだろう。
もし海外の住宅地に滞在し、近所歩きをするような時にはご近所さんに遭ったらこういう軽い挨拶を忘れずに!
アメリカの信号機のない横断歩道
アメリカには交通量がかなりあっても信号機のない横断歩道が沢山存在する。
そういう場所には大体、車に対し一時停止のサインがある。自分が歩行者でその横断歩道を渡るときには先頭にいる車の運転手をしっかり見よう。
こういう横断歩道では基本的に歩行者優先である。車は歩行者に対して手で「渡りなよ」と手の平を縦にして左右へ振って進むように促すジェスチャーをしてくれるので運転手とアイコンタクトを取り安全を確認して横断歩道を渡ろう。
十字路の交差点でも車に対してでさえ信号機が無い場所が沢山ある。この十字路にも4方向全部に対し、一時停止が設けられていて、車は一台ずつ時計回りに自分の番を待って前進するのだ。
歩行者はその流れを確認しながら進むのだが、この時にも同じよう周りの車を見渡し、大体の場合は自分の渡ろうとする横断歩道の右手に来る車の運転手を確認する。この場合も運転手は手でジェスチャーをして歩行者の横断を促してくれることが多いので安全を確かめて横断しよう。
運転手を見て、車の動きを確認する
殆どの車の運転手は歩行者を優先し横断を促してくれるが、頭のイカレタ運転手もちょいちょいいるので気を付けることが必要なのだ。荒い運転をする人が間違いなくいることを心得ておこう。
信号機のない一時停止が必須の順番に進むはずの十字路でもルールを守らない運運転手を私は何人も見ている。
だから横断歩道以外でも十分に気を付ける必要があるし、横断歩道なおさら気を付ける必要がある。
驚きの歩行者優先交通ルール
先日、私の住むアメリカの都市での歩行者優先ルールを聞いた。
片側2車線のような忙しい道路であっても、歩行者が横断しようと現れたら、車は歩行者を優先させ、車を停止させて渡らせてあげないと、車を運転するドライバーは交通違反チケットを渡されるのだと聞いた。
勿論そこにパトカーなどが居た場合の話だが、そんな常識のない歩行者が横断しようとする姿を見たら、車は停止しないといけないなんて想像していなかったので、驚いた。
確かに歩行者と衝突なは絶対に避けるが、歩行者と十分に距離があれば、私も車を停止させて歩行者を優先的に道路を渡らせるなんてことは考えない。
アメリカで車を運転する時には、周りの先住者に交通ルールは確認しておいたほうが良いのだろう。
緊急車両が近づいてきたら停止する
アメリカの緊急車両の走行スピードは相当に速い。そして、車も歩行者も両方ともに、緊急車両に道をあける必要がある。
歩行者が横断歩道で渡ろうとするときに緊急車両が近づいてくるのに気づいたら、決して横断歩道を渡ってはいけない。
車を運転していたら、必ず即座に路肩に車を止めて、緊急車両を優先させることがアメリカでは徹底されている。
日本では近年、緊急車両の優先が徹底されていないことについて私は問題だと思っている。東京都内での十字交差点を通過する緊急車両は相当時間を掛けている。
それだけ緊急車両に道をあけていないからだ。どうして日本では、長年この問題を改善出来てないのか相当謎である。
高速緊急車両ムーブオーバールール
高速道路を走っていると、路肩に緊急車両が停止していることをよく見る。ピカピカと緊急車両者のランプ点滅が見えるのですぐ分かるだろう。
このランプ点滅がみえたら、基本的に路肩側の車線を走行してはいけないMove Over Law(ムーブオーバールール)というのがあるのだそうだ。
つまり、追い越し車線に移動し、走行を続けるか、それが出来ない場合はスピードを相当低速に変えて通過しないと、交通違反チケットを発行されてしまうのだ。
このルールは20年前には聞いたことがなかったが、今では周知の事実らしく、我が家も交通違反チケットを貰ってしまった。
取り締まりをする警察官が、後続車と衝突し、亡くなるケースが多く、この法律ができたのだと、私達夫妻は交通違反チケットを貰う時に、しっかりと教育を受けたのである。
交通事故の過失は正直に認めよう
昔、どこかの記事で「アメリカで交通事故に遭遇したら、過失を問われてしまうから絶対に謝らないようにしよう!」という記事を見たことがある。
確かに自分に全く過失がなければ謝る必要は全くない。
しかし、自分に過失があったと思う場合は、率先して謝ることは必要だし相手の状態を気遣う必要だって有る。
日本でも同じだと思うが、アメリカにだって良い人も居れば、悪い人も居るのだ。
とにかく謝らないということが必要なのではなく、賢く確かな良心をもった言動をしなければいけないということだ。
自分が悪いと思う部分は謝り、自分に責任がないことについては謝罪する必要がないのだ。
とにかく事故が起こったらすぐに911に電話をして、警察に来てもらうのが一番である。
軽い車同士の事故の経験
以前アメリカで、私が乗車していた車が対向車車道に寄ってしまい、対向車のサイドミラーと接触し、双方の車のサイドミラーが壊れるという軽度の自動車事故が発生したことがある。
サイドミラー同士が接触しただけなので、明らかに車の損傷も少なく、私が乗っていた車のドライバーは相手の運転する車と、運転手に大きな問題がない事を相手と確認し、謝罪し、連絡先を交換して保険会社にも連絡をした。
その後サイドミラーを直せるように保険会社が相手とやり取りをしていたのだが、相手の車の運転手はその後、ムチウチの症状を保険会社に請求したと聞いた。
車同士のサイドミラーが当たっただけなら、乗車している人が絶対にムチウチになるわけないが、お金を貰えるチャンスだと思ってムチウチの後遺症を後日訴えたのだろう。
結局、車の状況からムチウチの請求は退けられたようだが、よくそんな請求ができるなと思った。
だからと言って、相手の車のサイドミラーを傷をつけたことには変わりがないので、それについてはきっちり保障しなければいけないし、謝罪も必要なのである。
日米間で交通ルールは違う
ただ近所を歩いているだけでもアメリカではしっかり周りをみながら車の動きをも自分で確認して、行動する必要があるということを忘れずに!
日本だと歩行者ならではの強気な行動もありがちだが、日本以外の海外にでたら気持ちを切り替え、歩くだけでも気を引き締めるに越したことはない。
こういう部分からも、世界から日本はとても安全だと称賛される理由のひとつなのだろう。