固定観念は知らず知らずのうちに私たちの頭に根を張っている。
気を付けないと、その固定観念は思考の檻となって自分を縛るものとなってしまうのではないだろうか。
私はずっと雇われ社員で働いてきているが、会社員としての仕事以外でも人の仕事手伝いや自分の副業を通して、あれやこれやとやってきた。
ただの勤め人だったら経験しなかった様々な面倒な仕事が経験できたことは、間違いなく自分の知識となって私の可能性を広げてくれている。
私はデータアナリストとしてキャリアを築いてきているが、それとは全く関係のないプライベートで経験してきた仕事が色々ある。
ビザの手続き、労働保険や福利厚生の登録と運用、会社会計、自動車登録や車検手続き、不動産の運用等、それぞれ通常日本だと士業といわれる専門職に依頼するような仕事を努力し、出来る範囲で専門家に頼まず、自分でやってみた。
新しい仕事場で仕事を始める時には分からないことばかりで苦労する。それと同じようで通常専門家に依頼するような手続き仕事は慣れてない分、毎度私は同じように苦労させられた。
しかし苦労してでも諦めずにやってみれば意外にどうにかなることが多いのだ。
役所での手続き仕事というのものはかなり多くの情報をインターネットで収集することが可能だし、詳しい手続き書類の書き方を含め、詳細に色々と調べることが出来る。
以前の私なら、こういった手続きにかかわる仕事は専門職である人や会社を雇うもんだと思い込み、専門職なしでは手続きは出来ないものだと信じ込んでいた。
私がこれらの手続きで一番初めに関わったのはビザの申請である。
たまたま友人にビザ関係の書類を自分でまとめたことがあるという人がいたので、その友人に進め方と要領を習い、私もインターネットで調べながら書類作りに取り組んでみた。
この第一のハードルを越えてしまえば、後に続く色々な手続きは基本的に同じ要領で進められるのだと、私の視野は広がった。
日本の政府はかなり親切に政府関連のウェブサイトでも説明を明記してあるのに加え、色々な人がお役立ち情報に画像を付けて自分のホームページで紹介をしてくれている。
細かい必要事項を正しく指定された書類の項目を埋めていくプロセスは必須で、目を閉じていても出来るというものではない。しかし何度もやっていれば、本当に目を閉じていても出来る気がするので不思議だ。
例え素人であっても、インターネットの情報をあちこち調べればかなりの確率で書類は準備できるし、手続きも滞りなく済ませる環境が整っているように思う。
新しいことをする場合、情報を吟味してそれが自分のケースに当てはまるか考えて進めるのは確かに苦労はするが、無限に時間が取られるわけではなく、ある程度調べれば必ずと言っていいほど自分自身でどうにかすることが出来るのだ。
しかもその取り組んでいる管轄の役所に出向けば結構親切に細かく職員が教えてくれるのだから日本での役所手続きというのは外国に比べ簡単な気がする。
しかし間違いなく、日本の手続き書類は色々と細かいことは違いない!
日本では決まったやり方に沿って進める事さえできれば、目安となっている期間内に目的を達成することが出来るのだからやはり外国に比べやりやすいと言えるだろう。
諸外国では必要となるものが人によってばらつきがあったりするし、聞く人によって情報が変わったり、一体いつになったら許可が下りるのか分からないというような事態に陥ることを考えても日本はかなり分かり易いのである。
こうやって色々と自分で対応してきたことを日本の友人たちに話すと、「そんな面倒くさいこと良く自分でやって偉いね。」と言われることが多い。
これから取り掛かろうと思う事を私が身近に居る人に聞くと、「分からないから、そういうのは専門の士業とかを雇うといいよ。」とも言われるのだ。
行政事務所に出向いたり、インターネット検索を十分にすればこんなに情報が整った状況なのだから、自分の時間を割けばそれなりに対応することが出来るのだが、殆どの日本人ははやり士業を雇うものらしい。
私はこのブログで”為せば成る”ということを伝えたい。しかし注意喚起も同時にしておきたい。
一見難しいことだったり、通常皆がやらないことを仕事で会社員としてやらざるを得えない場合、相当努力しないと目的達成はできないだろう。
自分でも苦労してその仕事を成し遂げたと考えるだろうし、一般的に士業を雇う仕事というのは他人から見ても難しい仕事として認識される。
しかし私はそういう時のその考え方にのまれるのは良くないと思う。
難しい仕事をさせられ安い給料で自分が不当に働かされたと思わないで欲しい。
その考え方は自分が損をする考え方だからだ。
難しい事を達成した時点の自分の給料は安いかもしれない。しかし、スキルと経験を身に付けて転職するか、昇進すればそのうち努力は実って、結果給料も上がるだろうからそれまで力を付け続けよう。
難しい事を成し遂げて達成感を得るのは良い。自分の可能性を喜び、もっと自分は守備範囲を広げられるのだという風に考えることが出来ればきっとずっと幸せに働くことができる。
実はとても難しいことをやり遂げたような感じがする仕事でも、何度もやっていれば慣れて簡単にこなせる仕事に変化することもある。
損な頭打ちの考え方は捨てて、自分の可能性を認識してその先を歩む方が何倍もキャリアの肥やしになるということを理解しよう。
本当の底力を必要とするような道なき道を歩く力は、慣れない仕事をしてこそ蓄えられられるのだ。
会社員として働き、慣れない難しい仕事を成し遂げる時には時間配分と優先順位を意識しよう。
沢山の慣れない仕事を次々任される場合、働く時間の管理は特に難しい。
会社の期待に応えたいと頑張って仕事をする頑張り屋さんは多くの残業時間や勤務時間外時間を使ってしまうことがあるのではないだろうか?
しかし長く頑張りすぎる状況が続けば誰でも心身ともに疲れてしまう。
それに実はオーバーワークを強要していない上司や仕事先は多い。だから私たちはしっかりと各方面の仕事時間を上司に報告しながら自分のことを大切に管理する必要があるのだ。
ひとつひとつのプロジェクトにかかる時間、毎日の労働時間、自分が許容できる残業時間どれもしっかり自分で管理して仕事をする必要がある。
仕事を締め切り前に終わらせるために、一人で黙々と死にそうになりながら働いても誰も評価してくれることはない。
自分が限界を迎える前に、いち大人としてしっかりと仕事量と自分の労働時間が見合ってないことを上司に報告出来る人こそ必要とされる人なのだ。
自分が出来ないことを認め上司に報告するのは共に働く周りの全員へのリスクヘッジであり、それこそが組織の一員として求められることであるはずである。