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ヨーロッパ旅行で出会ったオルタ湖

異文化暮らし

10年ほど前に夫とスイスに住む友人の家に遊びに行った。

私と夫は旅行の予定を半分だけ計画して旅に出た。第一目的地はスイスで、そのあとはマッターホルン(下記地図の左側に位置する)が良く見えるツェルマットでハイキング計画をして、その後の予定は未定のまま日本を出た。

最終的にスイスの友人宅に2泊し、ツェルマットに3泊した後は、イタリアのオルタ湖を訪問した。

スイスの友人の家に滞在している間に、私ら夫妻の旅はツェルマットに行った後の旅程が決まっていないのだと話すと「オルタ湖に行っててみるといいよ!」と勧められた。色々検討し、私達はツェルマットからそれほど遠くないオルタ湖に行くことにしたのである。

オルタ湖(Lago d’Orta)はイタリア北部に位置する小さな湖の街である。

ツェルマットからオルタ湖にスムーズに行く為にとりあえず地図上でオルタ湖に一番近く位置する大き目の駅に見えたDomodossola駅まで行ってレンタカーすることにした。

Domodossola駅で電車を降り、ランチを食べて駅から一番近いレンタカーのデスクを訪れた。

朝ツェルマット駅を出る時に旅程を決めたので、Domodossola駅周辺のレンタカー予約も出来ているわけもなく、行き当たりばったりで直接レンタカーのデスクに向かったのだが、レンタカーオフィスには「休憩中です」の看板が掛かっていて、一体いつ戻ってくるのか分からない。

仕方ないので駅前にあったカフェに行ってコーヒーでも飲むことにした。

このイタリア訪問でイタリア人が教えてくれたのだが、多くのイタリア人は”ラテ”という飲み物は朝だけに飲むもので昼や夜に飲むものではないらしい。

夜に「”ラテ”を飲みたいな」と言ったら「げぇ気持ち悪い」と言われてしまった。イタリア人は昼も夜も飲むカフェといえば、エスプレッソらしい。昼食、夕食の後にぐいっとエスプレッソを飲むんだそうだ。

私達は駅前のカフェで飲み物をの調達し、小休憩を取ったのだが、思い切ってそのカフェのカウンターで午後のカフェを飲んでいた他の客さんに、近くに他のレンタカー屋さんがないかどうか聞いてみることにした。

折角オルタ湖まであと1時間という距離にいるのだから私達は早く出発したかったのだ。

「カフェの常連らしい人ならそんなに危険はないだろう、こっちは夫もいるしな」と思って声を掛けてみると、事情を理解してくれて、「ちょっとまってて」と彼はどこかに電話を掛けたのである。

彼は電話を切ると「自分の友人がすぐ近くで車の修理工場をやっていてレンタカーを準備してくれる」と言うのである。トントン拍子に話が進み、その彼の車で5分程の場所にある友人の車修理工場に行くことに。

車の修理工場には私達のレンタカーであるフィアットのマニュアル車を準備してくれていて、テキパキとレンタカーの手続きをし、私達夫妻は無事オルタ湖に向かうことになったのだが、考えてみると見知らぬ土地で見知らぬ人の車に乗ったことは少々用心不足だったかもしれない。

しかし夫は、Domodossolaという田舎町で明らかに地元の店の常連さんという親切な感じの人の車にのっても問題ないだろうという事で、二人でついて行こうと決めたのだが、これが発展途上国だったり、観光客が引っ切り無しに来る土地だったら、私たちも違った決断をしていたかもしれない。

イタリアでレンタカーをする場合はどの車もマニュアル車であることが多いので気を付けよう。

私はマニュアル車を運転できないが、夫は若い頃からずっとマニュアル車を運転していたので全く問題なかったが、もしマニュアル車の運転ができないという人は、イタリアに旅行する場合は、事前に確実にオートマ車を予約し、確保しておくようにしよう。

オルタ湖はかなり小さなひっそりとした湖の街だった。

食事をする店には困らないし、散歩をするのもロマンチックな場所があちこちにある。中心部にはレストランやお店並ぶメインストリートがある。

私達が入ったレストランはどこのレストランもおいしかった。私たち夫妻は旅行先でのレストランは、トリップドバイザー(リンクはオルタ湖のレストランリスト)か、Google mapのレストランのレビューを参考にして訪問しているので、旅先のレストランでは痛い目にあったことはまだない。

夏の間はバケーションを楽しむ観光客がヨーロッパの各地から押し寄せてくるから静かな町ではなくなるようだ。

夏のハイシーズンを避ければ、オルタ湖での小旅行はリラックスした素敵な時間になるだろう。

30分おきにフェリーが運航しており、湖の中央に浮かぶ美しい島”Isola di San Giulio”にも訪問でき、大聖堂を見学できる。

私たちが訪問した日は曇っていて肌寒く、風も吹いていたため島にいると凍えそうだったため、島での滞在時間は短く残念ながらそれほど島のことは覚えていない。私たちが訪問した時に詩の朗読イベントが開催されていてことだけは記憶に残っている。

街の外れを歩き回るのもなかなか楽しかった。イタリアの都会部分要素のある田舎町という感じで古くさいという感じがしない町だった。とてもロマンチックで私が今まで訪問したヨーロッパのなかでも特に記憶に残る街である。

狭い石畳や小石が敷き詰められた道をただ歩いているだけでも十分ロマンチックで魅力的な街なのだ。

オルタ湖は観光地なのでお土産屋さんも充実していた。私が一番気に入ったのはなんといっても石鹸である。

どの石鹸もお手頃価格でとても良い香りのするものが何種類も売られていた。これらの石鹸はひとつずつ石鹸の香りに合わせた素敵な絵柄が書かれたデザイン紙に包まれ、紙で作られた小さなお花モチーフをあしらって売られていた。

私は今でもこの石鹸のひとつを使わずに大切に取ってある。いつかまたオルタ湖の周辺を歩き、この石鹸屋さんに立ち寄りたいとずっと思っている。

このオルタ湖は、イタリアのミラノからもそんなに遠くはないらしい。もしミラノから2~3日の小旅行に出掛けるならオルタ湖がオススメだ。特にオフシーズンには、ゆっくりと静かで豊かな旅にできるだろう。

私たちのレンタカーを見つけてくれた親切なイタリア人男性は、私たち夫妻を車の修理工場まで送り届ける時に、オルタ湖のオススメのレストランも教えてくれたので、私たちがオルタ湖にいる間に一緒にそのレストランで食事し、楽しい時間を過ごした。

この彼との友情が続いているわけではないけれど、私が学生の頃に3年間ただ同じクラスで毎日顔をあわせただけのクラスメイトよりは、このイタリア人男性のほうがよっぽど私の記憶に深い思い出となって残っている。

このヨーロッパ旅行ではメインだったスイスやツェルマットでのハイキングよりも、オルタ湖訪問の方が記憶に残ってしまった。レンタカーの件もあったから、より記憶に残ることになったオルタ湖なのである。

またいつかオルタ湖の街を歩く日があればいいなと思う。

オルタ湖の紹介 “Lago d’Orta”(正式名称)

  • 世界遺産に登録されている礼拝堂サクラモンテ “Sacro Monte di Orta” がある
  • 湖上に浮かぶ美しい島”Isola di San Giulio”に大聖堂がある
  • 礼拝・巡礼の地として知られた小さなひっそりとした美しい湖のある土地
  • イタリア北部のピエモンテ州ノヴァーラにあり、比較的ミラノから近い

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