私は日本語で育った日本人なので、日本語での聞き取りを難しいと感じることは殆どない。理解不足によるミスコミュニケーションはあるものの、それほど努力をしなくとも軌道修正すれば必要なことは直ぐに理解することができる。これがネイティブの力なのだろう。
努力すれば英語耳は作られる
私は英語ノンネイティブだが、継続した英語暮らしを始めてから既に20年は経つ。遂に、私も本格的にアメリカ暮らしを始めて気が付いたが、実は英語耳が思った以上に作られ始めていたのだ。しかし、私の脳みそは、時より勝手にカタカナ音を探し出す機能を持っているから厄介だ。
ネイティブ英語音が聞こえるようになっているのに、いつの間にかそれを日本語のカタカナ音の枠にはめようとする脳みそがあるのだ。音を意識して認識すれば、確かにRの音と、Lの音は違う音に聞こえるのに、気を緩めると、私の脳は英語音をラリルレロ音のカタカナ音へと記憶をすりかえるのだ。
英語ネイティブを目指す私にとって、何かいい方法はないだろうかとYouTubeを探したら、そこには私が求めていた答えがあったが、やっぱり英語ネイティブの道のりは長いのだと知ることになった。
日本人の音変換機能
YouTubeでR音と、L音の聞き分けについて話しているチャンネルを模索して見つけたのが、【ハイムズさんち】というチャンネル https://www.youtube.com/@heims_ である。このチャンネルでは、日本人に対し実に丁寧にアメリカ英語発音の説明をしている。
綿密な発音の説明の他にも、日本人がぶち当たる英語発音の壁パターン等の話も独自の考察を共有してくれていて、どのエピソードでも大いに同意できるのだ。そのなかで、特に腑に落ちたのが日本語を話す人が持つ「音変換機能」についてのエピソードだった。
【ハイムズさんち】YouTubeチャンネル 音変換機能のお話
まさに私が求めていた、ネイティブ英語音への道のりに必要となる処方箋がそこにはあったのだ。
カタカナ英語音の呪縛
私には学生時代に英語を必死に暗記しなかった恩恵がひとつある。それは、私は多くの英単語をネイティブ英語音で知ることが出来たことだ。ネイティブ英語音で学んだ英単語は私の脳に比較的正しい音で記憶され、スペルも音から予測することが可能なのだ。
しかし、厄介なのは長いこと日本の生活の中で使われるカタカナ英単語である。いくらアメリカ人の正しい英語音を聞いても、私の脳は親しんだカタカナ英語音に置き換え、L寄りの音と記憶し、発音もスペルも間違えてしまうのだ。
例えば、日本でも日常的に使う「ランキング」という言葉だ。私の脳には長いことL寄りの音で単語ランキングは登録されていた。正しくはRANKINGなのに、私はしばらくLANKINGと思い違いをし、間違えたスペルに加え、間違えた発音をしていた。
それに私の日本語を聞く耳と脳は、注意しておかないと新しい単語を正しいネイティブ英語音で聞いても、L寄りのカタカナ音ラリルレロへと集約してしまうことが今も起きる。というわけで、私は英語ネイティブを目指すのに、対処法を探すことになったのだ。
英語ネイティブ発音処方箋
YouTube【ハイムズさんち】チャンネルで言っていたように、普通の日本人がアメリカネイティブ英語音を習得する為には、日本語脳の「音変換機能」をぶち壊さないといけないのだろう。
聞いた音は日本語へと訳さず、聞いた音の通りそのまま理解しなくてはならない。超短期目線なら、日本語に訳して意味を覚えてた方が簡単で近道に見える。しかし、その道は英語ネイティブを目指すにはやっぱり遠回りでしかないし、英語ネイティブへの道へと繋がっているかさえも疑問だ。
聞いた音はそのまま受入れる
とにかく、聞いた音をそのまま理解することが需要だと言っている。その音のまま受け入れて、理解し、記憶する。これが正しい英語ネイティブへの一本道だと私も改めて思うのだ。
日本で仕事をしていた頃、私は周りから英語がペラペラだと言われていたが、自分では「なんちゃって」だったと自覚している。アメリカでも私の英語は上手だと言われるが、結局私が話す英語は、癖のある英語を話す外国人止まりなのである。
この状況を打破して、英語ネイティブを目指すには、やっぱり英語は英語で処理するしかないのだ。
英語は英語で学ぶ
20年前、私が本格的に英語学習を始めた時、私の英語の先生は、「苦労するけど、辞書は英英辞典を使いなさい。」と言っていた。当時の私の英語力ではどうにも立ち行かず、諦めて私は長いこと英和辞典を利用していたが、今になってようやく私も英英辞典を使い始めた。
今でも自分が知らない英単語の意味を調べるなら、英和辞典を開いた方が簡単で分かり易いのは間違いない。しかし、ここで英語に日本語を紐づけるだけだと私の英語力はさほど伸びないのだ。
英英辞典で知らない英単語を調べれば、建設的に英語力が伸びる実感がある。これはきっとネイティブ英語音の習得と同じで、英語は英語としてそのまま理解し、記憶しなければ英語ネイティブに成ることは出来ないのだと思う。
いつまでも日本語を軸にして英語を学習していては、伸びるものも伸びないと実感している。
海外暮らしで目が覚める
夫と出会ってからというもの、私はずっと英語暮らしをしてきたから、英語での質疑応答は自力で対応可能だ。英語での日常会話についてもさほど問題ないと思っていたが、アメリカで暮らしてみると、改めて自分の会話力の低さに気付かされた。
本格的なアメリカ生活を始めて、自分はまだまだ知らない英単語が多いとしみじみ感じる。よく話すトピックや、1オン1での会話なら分からない部分を都度確認できるから会話もしやすいが、グループトークで更に自分の知識が薄い分野になると、知らない単語が多すぎて会話についていけなくなるのだ。
こういう状況になってやっと自分の英語を伸ばしたいと思うようになり、改めて英語ネイティブを目指して英語学習に取り組むことにしたのである。
慣れによる読取り機能
長時間一緒にいる相手とは、一方がネイティブで一方がノンネイティブだったとしても、お互い相手の癖を学習し、言葉足らずのコミュニケーションも補い合って理解しあえるようになるようだ。
私の日本での英語暮らしでは毎日夫や、上司同僚と英語でコミュニケーションを取って生活していたが、正直、この期間にどれだけ私の英語力が伸びたかは疑問である。
日本で暮らす日本語が話せない外国人達は、日本人のコミュニケーションパターンを学習し、日本人の英語の不足部分を各自で理解をしようと努めてくれる。その為、私は自分の英語不足について認識しなくなり、成長することを止めてしまっていたのだ。
英語学習の始め方
英語を学ぶなら英語圏で暮らした方が、英語を話したいという切羽詰まった思いになるから、そういう意味で海外で英語を学ぶのは理にかなっていると思う。
しかし、私は大人になってから英語を習得しようとする人は、中学生英語で習う基本的な英語を習得するまでは、日本語をベースに英語学習するのが良い気がする。
日本語で英語の説明してくれる先生を見つけ、基本を理解し、会話が出来るようになってから英語圏に飛び出すのが効率的だと思うのだ。日本を飛び出したらあとは全力で、耳を使い、目を使い、口を使い、フルに頭を使うことが出来れば、急速に英語力が伸びる気がする。
結局は正しい知識の積み上げ
最終的に英語ネイティブへの道は、英語を軸にして、コツコツ知らない英語を習得することだろう。結局は、子供が語学を伸ばすのと同じように、正しい知識を記憶し積み上げていくしかないようだ。
その為に私に必要なことは、日々英語の文章を読み、分からない単語を英英辞典で調べ、英語を耳にするときには意識して正しい音を聞き、自分が話す時にも正しい英語音の記憶を呼び起こしつつ要点を絞り簡潔に答えることを意識することだ。
日本から持ってきた読みたい日本語小説が手元に沢山あるのだが、暫くはお預けして、英語ネイティブ目指し辞書を引き引き英語の本を読もうと思う。