当ブログはアフィリエイト広告を利用しています

賃貸退去原状回復費用が高いので異議を申し立ててみた

日本暮らし

私は人生で一人暮らしをしたことが未だにない。結婚は30歳を超えていたから、当然一人暮らしをするチャンスもあったのだが、私は都内や首都圏内に住んでいた身内の家に居候させてもらっていたのだ。

おかげで賃貸入居の経験はあっても、賃貸退去の経験が殆どなく、困ったことが起きてしまった。

10年借りた賃貸退去と原状回復費用

私は10年程前に、我が家の引っ越しの際に仮住まい目的で都内に小さなワンルームを借りた。色々な理由があって長い間借りていたのだが、今年になってようやくその部屋を退去をした。

本当はもう少し前に退去する予定だったのだが、その部屋が必要がなくなり退去しようと思ってた時に、親しい友人が少しの期間住む場所が必要になった困っていたので、その部屋の契約更新がくるまでならと、友人に数か月間の間貸した部屋だった。

友人の滞在が思ったよりも長くなり、キッチンとバスルームの汚れが目立つようになってしまった。退去がバタバタとしてしまい清掃を殆どせず退去したら、その1週間後に15万を超える退去費用清算の請求書が届き驚いたのである。

退去時のクリーニング費用

最近の賃貸物件にはよく、入居契約書の中に特約で退去時のクリーニング費用と言うものが含まれている。私の契約したワンルームマンションも同様に退去時クリーニング費用が盛り込まれていた。私はこれをすっかり勘違いしてしまったのだ。

私の人生で退去時のクリーニング費用が含まれる物件の賃貸契約に対し、私ははあまり馴染みがなかった。私は、退去時の掃除をサボったところでそれは既に支払いをすると合意しているから清掃を細かくする必要がないのだと勘違いしたのである。

しかし今回の賃貸物件を扱う不動産屋は、退去時に清掃ができていないケースは、日頃から借用物件の清掃を怠り、物件にダメージを与えたと訴え、特殊清掃費用を請求してきたのである。

加えて部屋にあった備品が破損していると訴え、その備品の交換費用も加えられていた。

退去時の細やかな清掃を怠ったことには間違いないが、この高額請求費用をだまって「はいそうですか。」と支払うわけにはいかない。私はこうしてて試行錯誤1週間ほどの時間を掛けてこの不動産屋と協議をすることになったのである。

あくどい不動産屋のやり口

正直なところ私には知識が十分にあるわけではないので、今回の不動産屋があくどいのかについて100%の確証はない。しかし、私には何かそう思わさせる何かがある。

かなりコンパクトなワンルームマンションなのに、追加の特殊清掃費の金額が相当高いということも大きな理由だったと思う。この金額が控えめなものであったなら、それほどこの不動産屋に対し、嫌悪感を持たかなかっただろう。

大家経験から疑問が生まれた

私は以前、他の不動産屋を通し、賃貸に部屋を貸していたことがある。その部屋は私が借りたワンルームよりも大きな部屋だったし、キッチンもお風呂も一般家庭の大きさのものだ。

その時の賃貸人からは敷金を2カ月と多めに預かり、退去時のクリーニング費用も契約には入っていた。2年が経ちこの賃貸人が退去した時に不動産屋さんと部屋を確認したのだが、掃除を殆どせずに退去したのであろうキッチンの油汚れは結構ひどかった。

それでも、その不動産屋は清掃費をもっと請求しようとは言わなかったし、実際に賃貸人には入居時のクリーニング代金以外を徴収することはなく、残りの敷金をそのまま返金した。

業者のクリーニングは通常のもので、キッチンを含め、黒カビ発生した風呂場も綺麗になった。どの個所も追加料金なしで、鏡のウロコ落としまで綺麗に対応してくれていた。

この経験があったから、今回の退去時に清掃を怠ってしまっても大丈夫だろうと私は思ったのである。。

アレコレと請求の多い不動産屋

私が借りたワンルームの賃貸は入居時の費用は敷金が無い物件だった。別に敷金が1か月あっても問題はなかったが、たまたま借りたいと思った部屋に敷金が無かっただけだったのだ。

しかし、入居時にもっと気を付ければよかったと思うことはいくつかある。例えば、この不動産屋は契約手続き料を請求し、2年ごとの契約の時にも契約手続き料を都度、1万円請求してきていた。これも契約書の特約に含まれている。

私はこの時1万円くらいならいいかと思ってしまったのが間違いだったのだろう。正直、私は他に手続き料を取る不動産屋と関わったことがない。自分が貸す側だった時も、身内が借りた他の物件も含め、契約手続き料を取る不動産屋に私は他に遭遇したことがなかったのだ。

退去時の費用清算請求書を受取ってから、この不動産屋はあの手この手で法的に対策をしながら、お金を請求する仕組みを作り、荒稼ぎするような会社なのではないかと考えるようになったのである

退去時原状回復費用請求に異議

退去時の原状回復費請求書を受け取った私はまず、その金額を見て驚いた。私は入居時に合意したクリーニング料金の4万5千円の請求書だと思っていたのに、その合計金額は15万を超えていたのだ。

請求書にはこと細かく、15万を超える原状回復費用の明細目録が、国土交通省のガイドラインに沿った形で添付されていた。原状復帰費用として、貸主と借主に割り振られた明細書があり、私に対し何の支払いを求めているかは一目瞭然だが、私としては全く納得はできない。

私はネットでこの手の借主側の体験談を探してみることにしたが結局の所、他人の体験談を聞いても参考にしかならないのだ。それぞれの状況は違うから自分のケースと完全にマッチしている情報は見つからない。

しかし誰もが、まずは不動産屋に不服であることを伝えるべきと案内していた。ひとまず私も「請求内容に異議あり」の一報を不動産屋にしてみることにした。

不動産屋とのやり取りはEメールで

世の中には沢山の人が賃貸の退去時の原状回復費用で揉めていることが分かり、最悪の場合は少額訴訟をしているということも学習できた。その時に備え、私は不動産屋とのやり取りは電子メールを使い、相手にもそれを要求し進めようと決めて不動産屋にメールを送信した。

不動産屋へのメールの内容ポイント4点

  • 備品の器物破損は10年賃貸していた期間内に、耐用年数を過ぎている。生活の中で発生したプラスチック劣化による軽度なヒビ割れで設備の交換費用2万5千円を請求されるのは納得できない。
  • クリーニング代4万円の他に、ミニキッチンの油汚れの追加特殊清掃費の3万円は納得できない。
  • クリーニング代4万円の他に、浴室水垢汚れの追加特殊清掃費の4万円は納得できない。
  • クリーニング代4万円の他に、浴室鏡ウロコ落とし追加費用の1万3千円は納得できない。

100戦錬磨の不動産屋

私の不服の申し立てのメールに、不動産屋は即座に返信をしてきた。そこには「退去時の部屋の状況から判断し、部屋を借りている賃貸人として、善管注意義務違反に抵触している」とか、初めから終わりまで裁判に備え完全武装した回答が返ってきた。

退去時の部屋の掃除が出来ていないことから、日頃から掃除を怠っていたとしか思えず、だから特殊清掃費が必要になるし、そうでないなら法的根拠を示せというのである。

しかし、備品の器物破損に関しての代金は支払わなくても良しとするが、傷が付いた報告を怠った善管注意義務違反として設置手数料だけは負担してもらうのが妥当であると判断すると記載されていた。

備品の耐用年数とプレスチックの劣化による軽度なヒビについては裁判で負けると思ったのだろう。しかし私が報告義務を怠ったという点は責任を追及できると判断し、折衷案と提案してきたのだと思う。

このメールを貰い、私は「相手は相当手練れているのだな」と思ったのである。

国土交通省の原状回復ガイドライン

不動産屋は、私の異議には法的根拠がなく、つまり主観で好きかって言っているだけで相手にならないという回答をしてきた。不動産屋は弁護士を使い、法的根拠をあれこれ並べ器物損壊費用以外の請求を退けることはしないと強気なのである。

私は決意を固め、国土交通省が発行するPDF173ページにわたる原状回復ガイドラインを読むことにした。相手が法的根拠をというので、このガイドラインから私の理由をとって並べてみることにした。

国土交通省ウェブサイト 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」についてのページ
ガイドラインPDF  https://www.mlit.go.jp/common/001016469.pdf

読んでみると、確かに賃借人は部屋を借りている者として、善管注意義務違反というものが課せられるらしい。書いてあることはもっともなことが多い、裁判をするにしてもこのガイドラインに沿った考え方が適用されるはずである。

私は賃貸人が原状回復費用を払わなくていい根拠を集め、メールの返信に必要な部分をコピペした。ガイドラインに掲載されている様々な判例をを読み漁り、自分の置かれた状況を客観的に考えてみた。

少額訴訟手続き費用は安いし、私は自分で自分の弁護をすればいい。少額訴訟なら裁判で負けたとしても相手の弁護士費用払う必要はなく、もともとの請求金額だけの支払いしか発生しないのだ。しかし、私は少額訴訟をしても100%私が勝てる確証はないという結論に至った。

少額訴訟の9割は申し立てをした人が勝手いるらしいが、私がその9割に入れるとは確信することはできなかった。

私が退去時にしっかりと清掃をしていたのにもかかわらず、当初のクリーニング代金以外の特殊清掃費を請求されていた場合は、少額訴訟をして追加の費用請求を退けることはできていたように思う。

私のあきらかな落ち度

正直な所、部屋に滞在した友人のお掃除不足により、この部屋の浴室には蓄積された石鹸汚れがあり、こびり付いてしまい、ちょっとやそっとの掃除では綺麗にならない状態だったのである。

このことから、私は浴室の特殊清掃費は支払わなければならないと思ったのだ。浴室の掃除について通常の管理が出来ていなかったのに、他の部分の清掃について通常清掃が出来ていたと主張するのは厳しいものがある。

客観的に見て、私にはあきらかな落ち度があったのだ。だから少額訴訟をしたところで、私が原状回復にかかる費用負担を求められる可能性は、非常に高く100%か少なくとも半分の負担を求められるように思ったのだ。

原状回復ガイドラインの中で、壁紙については明確に賃貸人の住居年数によって負担割合が明記されている。不動産屋はそれを熟知しているのだろう。10年賃貸した私へ原状回復費一覧に壁紙の負担は一切なかった。

しかし、壁紙以外はグレーゾーンが多く厄介なのである。住居期間が10年以上でも、建物が20年越えでも、「善管注意義務違反で、キッチンの清掃を怠り、油汚れによって経年劣化以上に設備が劣化した」と言われると、追加清掃費を求められる可能性はあるようだ。

この不動産屋は凄く馴れていて、提携弁護士と賃貸退去時ケースをアレコレ対策し、お金を稼いでいるのだろう。取れる部分を見極め、機械的に徹底的にお金を回収しているのだなと思った。

妥当な落とし所を探す

相手が相当な手練れであることは分かったし、少額訴訟やっても期待する結果にはならないだろうと結論に至った私は、特殊清掃費の妥当性について問うことにした。

浴室の鏡のウロコ落とし代金なんて全く払いたくはなかったが、少額訴訟を起こしても、私の追加清掃費の支払いはなくならない気がする。だから、少額訴訟を行う為の時間と手間を考え、清掃費の減額が妥当な落としどころに思える。

私は、不動産屋へのアプローチを減額にしてみることにしたのである。

清掃会社ウェブサイトの情報

大手清掃会社のウェブサイトには水回りのセット清掃料金から、キッチンの清掃料金、ウロコ落としのオプション料金など明確に写真を付けて案内されていた。

不動産屋から共有されていた私が残してきたキッチンの油汚れの写真は、大手清掃会社のウェブサイトに貼られた清掃前の写真よりも軽度な汚れだったし、ウェブサイトに書かれた料金は不動産屋が示した金額よりも安いものだった。

1社だけの情報では一般的な情報ではないと言われることを予想し、世間で名の知られた2社分の清掃料金と写真を収集し、清掃業者社名と、該当する情報のURLを貼り付け、不動産屋の提示していた見積金額が妥当でないと訴えた。

私は、支払わなければいけないものは出来るだけ早く支払い、早期解決をしたいと思っていると一言加え、相手の労力をねぎらいの言葉を付け加えてメールを送付した。

例え相手にイライラしていても、こういうやり取りで威圧的、攻撃的な姿勢を見せても自分の特には全はならないのだ。こういう時にこそ、冷静に対応しておいた方が面倒は少なくて済むのだ。

不動産屋の請求書が減額される

国土交通省の原状回復ガイドラインの箇所を引用し、清掃会社の料金を提示した私のメールは効果があったらしい。不動産屋は「法的根拠を示してもらえたので私の言い分を理解できた。早期解決をする為に清掃費用を減額を提案する」と回答をしてきたのである。

この清掃費用の減額は、私が送付した2社の出す清掃料金をそのまま引用した金額になっていた。恐らく少額訴訟した場合、私が証拠として提出する金額が判事に妥当と判断されると考えたのではないかと思う。

しかし、「減額提案は、早期解決に向けた不動産屋の努力対応であるから、減額した請求金額でも納得できずに少額訴訟に進んだ場合は、当初の請求金額を適用します」という一言も添えられていた。

早期解決がストレスフリー

結局、私は、当初考えていたよりも多くの退去費用を払いこの退去手続きを締めくくることになった。しかし、この予想していなかった退去時の原状回復費用については、友人が責任を持って支払ってくれたので、私が損をしたわけではない。

今回、不動産屋とのやり取りを通し、「正しいことはなんだろうか?」と疑問に思い、アレコレ調べ、国土交通省の原状回復ガイドラインを読み学習できたことは良かったと思っている。

少額訴訟で裁判をしても、今回の私のケースのような原状回復問題の場合、明らかな問題がある場合を除いては、正義よりも、知恵がある方が勝つのではないだろうかと思うのだ。

納得も出来ないのに言われた通りに請求されるまま金を払うのは良くないと思うが、私が納得さえできればそれでいいと思う。今回は私が最後まで納得できない金額は5万位だったし、その金額であれば少額訴訟に費やす時間と労力に見合わないと判断した。

もし私に沢山時間があったなら、負けてもいいから実際に少額訴訟をして、少額訴訟を体験してみたかったと思う気持ちもなくはないが、今回は見送ることにした。

賃貸物件退去時の心得

結局の所、入居時に退去時のクリーニング代金を支払っていたとしても、退去時には部屋の水回りキッチン、浴室、トイレと隅々まで結構綺麗にしておかないと、追加の清掃費を要求されることを学んだ。

浴室の鏡に関しては、ウロコ落としを別料金で請求する会社も沢山あるということを、インターネットリサーチをして知ることとなった。

とにかく賃貸の退去時にはピカピカにしておかないと余計な費用の請求をされる可能性があるのだと心得ておく必要がありそうだ。

自分で掃除をしたくないなら、掃除業者を自分で雇うほうが、不動産屋に請求される金額よりよっぽど良心的な金額で済むだろうと思うのだ。

軽度な設備備品破損についても責任を追及される恐れがある。経年劣化で壊れたと思う物を含め、気が付い時には忘れずに不動産屋に報告する義務があると学んだ。善管注意義務を果たすのである。

設備備品破損は建物が新しく、居住年数が少ない場合でも、故意でなければ賃貸保険の適用が可能になるケースが多いようだ。そういう為にもこの保険が存在するのである。

設備備品に問題が発生し放置すると、退去時に善管注意義務を怠ったとアレコレ請求される可能性があるということを忘れないようしよう。

賃貸物件を扱う不動産屋

ただでさえ引っ越しにはお金が掛かる。だから賃貸の退去による予期せぬ原状回復費請求には用心しなければならない。そして、あくどそうな不動産屋には入居時点に気付かなければならないだろう。

今後、私が賃貸契約する時に、「契約手数料」や、「抗菌料」のように良く分からない料金を請求する不動産屋の物件は契約しないことにしようと心に決めた。

タイトルとURLをコピーしました