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お家で家族とクレープを焼いてみる

日本暮らし

一体いつぶりだろうか、久しぶりに家でクレープを焼いてみた。

思いのほか美味しく楽しいクレープ時間、気が付けば2週連続でクレープを焼いていた。

最近は長期で海外に滞在した後には、姉家族の家に泊りで数日遊びに行く。

今回の姉宅訪問はもゆっくり滞在時間が長かったので、私はクレープの素が余っていると聞き、早速皆の夕食デザートにとクレープを焼いてみた。

卵と牛乳とちょっとのサラダ油を混ぜるだけでクレープの生地は準備は準備が完了だ。姉宅の使い勝手の良いフライパンを借りてクレープの生地をサッと焼く。

オタマですくった生地をフライパンに流し、手首を上手く動かしフライパンをグルっと回転させながらまん丸クレープを作るのは中々難しい。生地が綺麗にまるく形づられる前に生地は固まり始め、ところどころに穴ぼこが空いてしまうのだ。

生地の穴ぼこスポットにちょろっと追加生地をぽたぽたっと垂らして穴埋めが出来ればもう完成は目前だ。竹串でぐるっと焼いた生地の周りを剝がしたら、生地を裏返し、ちょっと焼いたらもう完成。

最近のお菓子パッケージは本当によくできている。箱に書かれた通り9枚のクレープ生地が焼けた。クレープの中身は生クリームと旬の果物イチゴにチョコレートシロップだ。

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ハンドミキサーを使って生クリームを泡立てた。中々固まらない生クリームとハンドミキサーから目を離さずにいたはずなのに、固まってきたなと思ったらあっという間に生クリームはがっつり固まってしまい、まるでバタークリームのようになっていた。

しかしこれはこれでアリだった。クレープに塗る生クリームが固いおかげで、切ったイチゴがしっかり固定されてチョコソースを含めてクレープの中身がこぼれ落ちることもなく、美味しいチョコイチゴクレープが完成した。

味はというと、美味しくないわけがない。生地はクレープミックスを使い、市販のチョコソースに、生クリームも決められた分量の砂糖しかいれていないのだから、生地さえ焦がさなければ間違いなく美味しく出来るのだ。

この自家製クレープがかなり美味しく出来たので、翌週に訪問した両親宅でも同じようにクレープを作ってみることにした。

私の父親が車いす生活になってからというもの、両親は外食とは無縁になり、面倒を見ている母親も外食の無い生活を送っているのだ。ということで出来立てのクレープで楽しませてあげようと、私は2週連続でクレープを焼くことになったのである。

しかし、両親宅でのクレープ作りは思った程順調にはいかない。まずフライパンに少々難ありで生地を丸く形どるのが難しい。加えてIHレンジだからフライパンを長めにレンジから離してしまうと、IHレンジはエラーと検知して火を止めてしまうのだ。

それでも何とかクレープ生地を焼き切って、生クリームの準備に取り掛かった。

両親宅にハンドミキサーはないので、昔ながらの泡だて器で生クリームを作る。甘く考えていたが、ハンドミキサーなしでの生クリーム作りは予想以上に難しかった。

見かねた母親が手伝ってくれたのだが、一人の肩が「もうダメだ~」となると、母と私で選手交代しながら生クリームを泡立てた。何度選手交代したか分からないが、生クリームが固まるまで軽く20分はかかっただろう。

母親は途中、「もう固まってない生クリームでもいいよ」なんて言っていたが固まってない生クリームをクレープに塗るなんて聞いたことがない。それでも諦めずにしつこく泡だて器を回していると、やっと生クリームは固まり始め、間もなく待望の生クリームが完成したのである。

あーでもない、こーでもないと中年の娘と初老の母とで作ったクレープの味は苦労した分更に美味しかった。出来立てのクレープを家族揃って食べたのだのは実に楽しいひと時となった。父は翌日食べたクレープについて「美味しいなんてもんじゃなかった」と母に言っていたらしい。

父親が車いす生活になってからというもの、両親は外食もなく代り映えのない毎日を送っている。クレープを焼くだけでも彼らには非日常なのである。

こりごりだと思った生クリーム作りにしてみても、母と選手交代しながら泡だて器を回した時間には沢山の笑いがあった。例え大失敗してもきっと楽しい思い出として残っただろう。

クレープの生地が上手く丸く焼けなかったとしても、生クリームが完全に固まらなかったとしても味は美味しいし、フォークかスプーンで食べれればそれでいい。生クリームが面倒ならバニラアイスを乗せてもいい。

中年以上の大人が集まりクレープを焼いて食べるというのはなかなか聞かないが、大の大人がなどと言わずに、折角だからワイワイクレープを焼いたり、たこ焼きを焼いて家族団欒の時間を楽しむ人が増えたらよいと思うのである。

こういうちょっとした非日常が与えてくれるとても楽しい時間を体験するのもいいじゃない。

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