自分は健康だと思っていたのに、検査をしてみると結果票にレッドフラグが立っていることがある。しかし、問題個所が特定の臓器ではない場合、つい問題を軽視してしまうことはないだろうか。
悪玉コレストロール(LDL)
数年前に受けた健康診断結果あたりから、私は悪玉コレステロール値が高いと指摘を受けていたのだが、自身は瘦せ型体形ってこともあり、私はそれについて真剣に取り扱わず、問題と考えずに過ごしてきてしまった。
この数年の私の生活習慣は確かに問題があった。コロナ期間の頃から慢性的な運動不足になり、偏った食生活を続けたことで悪玉コレステロールは薬の服用を進められる辺りまで来てしまった。
コロナの行動自粛の頃に仕事が忙しくなり、自宅で長時間仕事するのが普通の生活になったのと、中年真っ盛りで自身の新陳代謝が落ちてきたタイミングとが重なって、一気に状況が悪化したのだろう。
問題ある生活習慣と対策
コレステロール値が高い生活習慣とは、動物性脂肪の多い食事、糖質やアルコールの過剰摂取、運動不足、肥満、喫煙、ストレスなどが理由にある。状況改善のためには食生活を見直し、魚や大豆製品、食物繊維を積極的に摂取する。加えて有酸素運動習慣を取り入れる。
人によっては、過剰な糖分摂取の注意、飲酒・禁煙や、肥満改善も必要となる。
痩せ型の健康錯覚
私が健康診断で悪玉コレステロールのレッドフラグがあったにも関わらず、なんの生活改善をすることもなく過ごしてしまった一番の理由は、自身の体系が痩せ型だったことが大きい。肥満ではないから、特に問題ないだろうと思ってしまったのだ。
甘いものがそれほど好きではなく、タバコも吸わず、アルコール摂取も週に1杯飲む程度だったというのも、自分は健康であると勘違いした理由だ。
しかし、血液検査をすれば私の悪玉コレステロール値は平常値を大幅に超え、お医者さんから「コレは薬を飲まなければいけない数値の1歩手前だよ。」と言われる程になった。
糖分をそれ程取らない食生活であっても、痩せ型体形であっても、十分とは言えない運動量の生活に加え、揚げ物と赤身の肉を頻繁に摂取する生活の歪みは、外見的な見た目には現れなくとも、体内にはしっかりと表れていたらしい。
アメリカで強制生活改善
私のアメリカで暮らしを支える健康保険は普通の健康保険とは少し異なるものを利用している。この保険は、自分自身の健康状態維持に真剣に取り組まなければいけない物なのだ。健康管理ができていると証明できなければ、保険料は毎月100ドル加算されることになる。
保険契約時に、身長・体重・腹囲の報告に加えて持病の報告をし、血液検査も求められる。その結果、私の問題の悪玉コレステロール値が証明され、月額保険料には100ドルの加算金が加えられてしまったのだ。
この加算金を除外するには数か月間、生活習慣の改善に取り組み、再度血液検査を受けて悪玉コレステロール値の正常化を証明する必要が発生してしまった。
コレステロール値改善学習
この私の健康保険は、私の問題点である悪玉コレステロール管理ができるようにと、いくつかのプログラムを提供してくれた。どのような食生活が望ましく、何を避けた方がよいのかという学習から始まり、日毎の運動についても学習し、電話でのカウンセリングまでついてくるのだ。
1週間のおやつを含む細かな食事の記録、飲料類の記録と運動の記録を日別に時間と供に記録をする。罰せられることは無いにも関わらず、誰かにこの記録内容が見られると思うと、いい子ぶってかなり真面目に運動をし、なかなか健康な食生活を送ることとなった。
食生活の記録で見えること
改めて記録した食生活と、今までの食生活を比較すると、実は自分の食生活が相当偏ったものだったことを目の当たりにした。
私のそれまでの調理は全てといっていいほどに脂質があり、日々の油の摂取量が相当高かったのだ。明らかに油分の過剰摂取していたにも関わらず、自然由来のものが多いのだから問題ないと思っていたのだ。
加えて、私の日々の水分の摂取量が相当少なかったことに気付かされ、食物繊維も不足した食事が続いていたという事にも気づかされた。
悪くない見直しの機会
このようにやっかいな部分がある保険制度に、私は当初イラつきを覚えたが、よくよく考えてみると今後の健康的な生活を考えれば、実はとても良い機会を得たように思う。
実際の所、私は費用の痛手が発生しなければ、今回のように真剣に悪玉コレステロール値を下げるための取り組みについて真剣に考えることは無かったように思う。
この生活習慣改善の取り組みで結果を出すことができたら、私は保険料が安くなるという恩恵を受けるだけではなく、動脈硬化や心筋梗塞というようなリスクさえも減らせて、結果健康な生活を送れるのだ。
病院や薬のお世話になる可能性も減り、健康的な生活が送れる未来の可能性が広がることになる。
健康保険と個人の努力
そう考えると、実は健康保険に属する全ての人にこのような取り組みを強制するのは健康的な社会を維持する為にはあっても良いものな気がするのだ。
車の保険の場合、無事故が続いたり、事故を起こす可能性が低ければ車の保険料は低くなる。健康保険の場合、肥満であっても、コレステロール値が高くても健康保険料の変化はない。考えてみると、収入によってのみ健康保険料がかわるという謎なシステムなのである。
健康に気を付けて病気にならない努力をしていると判断できたら、保険料が安くなり、自己管理を怠っていて健康数値が悪ければ保険料が上がる仕組みにすれば、健康な人口が増えて社会的な医療費も安くならないのだろうか。
と、自分が生活改善に真剣に取り組むようになって初めて思った。とりあえず、まずは自分が数か月間、真面目に日々の運動と食生活の改善について取り組んで、実際に悪玉コレステロール値がどれだけ下がるのか先ずはそれを確認してみようと思う。