この数か月の間、私は仕事を中心に生きている。仕事で対応中のプロジェクトは難題だらけなのだ。
進捗の状況報告の催促が、上司からも客先からも毎日のように来るので少々盛って報告をする毎日だ。ベストエフォートでの答えでいいというので、半歩先を加えて報告してやりすごしている。
問題には客観的に対応する
進捗を盛らずに報告をすると、「それではダメだ」と言われるので少々盛るしかなくなった。今日できると伝えたものは翌朝午前中に完成させる方法で、睡眠時間を削ってどうにかやりくりをする。
完全に非現実的な回答をして困るのは自分になるので、私は少し先の部分まで見通しを立ててそれを報告し、緊急事態を乗り切る毎日を送っている。
私にとって大きなプロジェクトの主要メンバーとして仕事を任されるのは初めての経験である。この経験は絶対に私のキャリアにも良い経験になることは分かっている。厳しく辛い仕事の日々だが、いつまでも続くわけではなないのだ。
それに、プロジェクトの主要メンバーだからと言って、死ぬ気で働く必要があるわけではない。ストレスを抱え長時間労働しなければならない状況だが、状況を客観的に判断し働くことができれば、きっと健全な精神状態で出口に辿り着くことも出来るだろう。
自分の責任範囲の仕事を計画的に進め、食事と睡眠を出来るだけ欠かさず、努力を続ければ健全にゴールへ向かう道から外れることはないと信じて働くしかない時もあるのだ。
共に助け合える仲間を持つ
大きなプロジェクトを進めるには、通常一緒にゴールを目指す仲間がいるだろう。私はこのプロジェクトでは信頼できる仲間と共に働くことができた。分業しながら、共にプロジェクトのゴールに向かうことになる。
私は上司や、客先に報告していた「少々盛った進捗報告」もこの仲間には日々共有し、上司や客先の要求を含め伝えたうえで、共にどうやってその進捗報告に見合った進捗に繋げるかを考え、現実的な時間軸を考慮して確実に一歩一歩進めるてはいる。
プロジェクト関連で会社が抱えている問題は、良くも悪くも至る所で発生していて、私の担当範囲だけではないというのが救いでもある。そういう状況だったから、私が少々盛ったスケジュールを報告し、現実は半日~1日程のズレが発生することがあっても乗り切れているのだ。
当初報告したスケジュールから24時間遅れてしまうと、客先からリマインダーと言う形で早急な対応を求められる場合もあったが、こういうケースでは上司に報告を入れ、スケジュールリカバリーに努めることにした。
作業を効率化するために、当初の予定より2日遅れる場合もあったが、そういう場合は意図的に先に予定していたものの納期を早めたりしながら、やりくりをして対応をする。
仲間と綿密に調整し協力し合って、提出物のタイミングをコントロールし、客先の不満バランスを保ち、なんとか全体的な提出物の納期スケジュールの帳尻を合わせることに努めたのである。
私は嘘は嫌いだが、大問題を抱えて相手がイライラマックスの時に、ありのまま馬鹿正直に説明し叱責を受けている暇は誰にもない。相手が納得できる無理めな前倒しプランをとりあえず出しておいて少々時間を稼ぐのが私の出した対応策だったのである。
難しいことをやり遂げる経験
大きなプロジェクトをやり遂げるために、盛ったスケジュールを追って仕事をする決心をしてから、私は仲間と共に毎日集中して、12~13時間程ロボットのように働いた。お互いに仕事以外は食事と睡眠をとるだけのライフワークバランスの欠如したワークライフを送った。
この今回の試練は私が人を育ててこなかったツケと、事前に人材補充の声を十分に上げなかったことのツケ。自分で蒔いた種と諦め、現実的に可能な限りせっせと刈り取りに励むことにしたのだ。
私はこの際、このチャレンジを今まで積み上げてきたキャリア・スキルを発揮するチャンスを得たと思うことにしたのである。それに、大きなプロジェクト経験は間違いなく私のこれからのキャリアに役立つことは明確だからだ。
しかし、私は仕事以外の全てをおろそかにしてしまった。夫からは「仕事と結婚したの?」と問われたが、「一生に一度の大仕事だからやり遂げたい」と説明して、私はゴールを目指して突っ走っている。
家族や友人、同僚からも「病気になるんじゃない?」と心配されたが、とりあえず病気にならずに難所は越えることができた。こういう状況でも仲間がいて、ある程度現実的に物事を考えることが出来てさえいれば、試練があっても乗り越えられそうだと心から思っている。
試練は限られた期間だからこそ
もしも1年とか長い期間、今回のようなハードスケジュールで仕事をし続けたら、実際に精神的に参ることもあったかもしれないが、私のハードスケジュール期間は数か月と分かっていたことは確かな支えとなった。
気持ちが辛くなったら仕事を中断し外に散歩に出てリフレッシュをし、好きなものを食べて幸せ度を上げてて小さな調節をすることも大事だ。私はちょっとした休憩時間にはインコちゃんの動画を見て癒され、仕事中はクラシック音楽を聴いて集中した。
集中して仕事をする時には、会社の予定表や、オンラインアイコンに取り込み中の設定を数時間に渡り設定し、誰にも邪魔されない時間を作り仕事に取り組むのである。
途中、ライフワークバランスを完全に失い、睡眠時間も削り仕事をする生活を経験したが「精神的に参った!」とならなかったことは運が良かっただけだったかもしれないと過ぎてみて思うようになった。
この数か月の激務は間違いなく私の会社員人生の中で一番ヘビーで、自分のキャパシティーを完全に超えた。今まで自分が考えていた自己許容範囲は思っていたより狭いことにも気がつかされたのである。
今もそのプロジェクトはまだ完結してはいない。まだいくつもの問題があり、これからも乗り越える壁は沢山あるが、一番高い初めの壁をなんとか乗り越え、続く幾つかの壁も乗り越えたところである。
ここまでくれば、後は順にしたがって残りの壁を越えていけばいいだけの状況になったのだ。
高い壁が50個、100個とあったとしても、初めの1つを乗り越えることが出来れば状況は各段によくなり、気持ちもグンと楽になる。残りは時間の問題だと思えばいいのである。
非力な自分を認めてもいい
このプロジェクトが始まり、先がハッキリと見えない状態の時は私も相当弱気になった。どれだけ私が努力してもその成果が見えない時があったのだ。その状況を数日でどうにかできる見通しがまるでないと思い神頼みをするしかなかったのである。
そんな時、私の暗いトンネルの歩みに光を持ってきてくれた仲間がいた。インドにいる私の仕事のパートナーが、私の先に立ち、先導してくれたのである。彼が居なければ、私は諦めていたかもしれない。
「自分の任されている仕事がどうにもならない状況になった」と、私の気持ちは折れかけ眠ったのだが、朝起きると、そのインド人の彼は寝ずにトンネルを掘り続けるように働き、先が見えるようにしてくれていたのである。
真の救い主イエスキリスト
実は私にはスーパー助っ人、イエスキリストがいる。私がこういう難関を乗り越えれる理由のひとつには、私がクリスチャンであることが大きいだろう。
私がクリスチャンである理由は、イエスキリストという救世主無しでは、私が自分の力で天国という門を絶対にくぐれないということに同意したことが始まりである。
今回の仕事のプロジェクトの試練でも、私は「もう自分の力では何ともならん」と思うこととなった。インド人の彼が頑張ってくれた後、私は再度自分の非力を認め、それからは日々神様に知恵や全ての助けを祈り求めて、イエスの名をに頼り祈ったのだ。
最終的な救いを与えてくれる神は、「私がすごく困ったと頼り求めた時に助けてくれないわけがない」と信じているから、私はタフに生きれるのである。
私が今回のような試練を乗り切れるのは、神様の恵みだと思うのだ。インド人の助っ人も神様が与えてくれたのだと信じている。神様は日々沢山のものを与えてくれる。仕事の愚痴を聞いてくれる家族、友もそうだし、上司さえも私の愚痴を聞いてくれていた。
難しいことに直面したら、諦めたくなる気持ちが無くなるわけではない。しかし、神様に期待し、寄り頼み、希望を持って努力を続けることは出来なくはない。
試練を乗り切る仲間を得る
インド人の助っ人とは、それまでも一緒にシステムを作ってきた。彼はシステムの知識を駆使し、私の期待以上に、それまでとは比べ物にならないスピードで仕事をしてくれた。彼は、私以上に寝る時間を削って土日も休まずに、私のまとめるプランを次々形にしてくれたのである。
私は今までに沢山のインド人開発者と仕事をしてきたが、このインド人助っ人は断トツに勤勉で、他の人とは比較ならないほど仕事をしてくれた。このインド人の彼が何年も私と共に働いてくれたことは天が与えてくれたものだとしか思えない。
インド人助っ人と共に寝る間を惜しみ仕事を進めていたら、いつの間にか初めの壁を乗り越えていた。
インド人助っ人以外にも一緒のプロジェクトで違う部分を担当するフィールドの異なる共に苦労した仲間がいる。互いに励まし合い、それぞれの担当分野で必要なサポートをして助け合えば力が湧く。少しずつでも、前進していることを共感できれば、それは活力に変わるのだ。
辛い時、仲間がいるということは本当に大切である。共にゴールを信じ助け、励ましあえる仲間を持ち、希望を増殖させて試練を乗り越えよう。
英語でのスピーチになるが、仲間と共に諦めず試練に耐え事を成し遂げることの大切さについて語られた動画がある。2014年にMcRaven海軍大将がアメリカテキサス大学の卒業式で祝辞スピーチをしたのだがそれが素晴らしい。オリジナル英語版のリンクはこちらから↓
University of Texas at Austin 2014 Commencement Address – Admiral William H. McRaven from YouTube
YouTubeを検索すれば日本語翻訳付きのビデオもあるので”McRaven海軍大将 アメリカテキサス”と検索してみるといい。