弁護士も支援業者も雇わず、夫と二人でグリーンカード申請書を準備すること決め、USCISの申請手引書を読み、YouTubeやグリーンカード支援業者ウェブサイト情報も参考にして書類作成を進めた。
この記事は2024年の6月にグリーンカード申請をした際の情報をベースにしている。
USCISグリーンカード申請書との格闘
慣れていない書類を読むのは骨が折れる。しかも英語なのでなおさらだ。それなりに英語力があっても、私もこの申請書に取り組み始めるのに気合が必要だった。
しかし、申請書の形式や注意書き等は基本的にどれも同じような内容が多いので、初めのひとつをクリアできれば徐々にスピードが上がるから、前向きに取り組もう!
悩んでしまった時にはYouTubeなどに頼れば、詳しく書き方を教えてくれるチャンネルもあるのだ。
それぞれの申請書メモに英語での説明だが私が参考にした Kseniya International の説明動画のリンクも貼っておく。
このチャンネルでは「ステップバイステップ(Step by Step)」と書かれた記載方法をひとつずつ進めてくれる動画が存在する。
備忘録として自分の為にも前回のブログ記事で紹介した申請書リストを使い、簡易的に要点をまとめた。
申請書の共通ルール
- 申請書は申請する時点での最新の申請書バージョンを使わなければならない。
- 申請書はPCで記入しても手書きで記入しても良いが、手書きで各質問に答える場合と、署名を書き込む場合は、黒インクか、濃紺のインクのペンで記入しなければいけない。(私は全て黒のボールペンで記入した)
- 署名は必ず直接申請書に手書きした申請書を提出しなければならない。
- 申請書はホチキス止め、ファイリング用の穴あけなどしてはいけない。
- 各申請書は最後のページに何も記載しないような場合でも、必ず申請書の全ページを申請書として送付しなければならない。
- 基本的に全てのエビデンスとなる証拠書類はコピーを提出する。原本は後日審査が進み、原本を要求された場合のみ提出する。(面接でも持参する必要あり|原本は後日返却されるらしい)
- エビデンスとなる証拠書類が英語以外で記載されている場合は、翻訳した書類と、翻訳証明書を添付しなければならない。
- 日付情報を記載する場合は必ずMM/DD/YYYY形式で記載する。
- 各申請書の各ページの下部にはバーコードがあるが、それもしっかり印刷されている必要がある。
- 添付する証明書や、写真データなどは申請書と同じレターサイズ用紙で準備するのがベター。
こういう注意点の対応を忘れてしまうと、申請書は返却され申請書の再提出をしなければならないという情報もインターネットで沢山体験談として共有されていた。
だからプロを雇ったほうが良いという人もいるのだろうが、注意して準備をすれば自力でもできるのだ。こういう細かいことを正確に進めるのは、日本人のお家芸だと思うし、対応出来る気がする。
I-130 外国人親族ビザ請願書
● I-130 Petition for Alien Relative 外国人親族ビザ請願書
この申請書はアメリカ人が外国人配偶者のビザ手続きを要請する為に記入する書類だ。
Kseniya InternationalYoutubeチャンネル 外国人親族ビザ請願書I-130の記載方法
・(I-130付属)I-130A Supplemental Information for a Spouse Beneficiary 配偶者に関する補足情報 (リンク同上)
この申請書はI-130の付属書類で、外国人配偶者が記入する書類だ。申請書はI-130と同じウェブサイトページから取得できるようになっている。内容はI-485申請書に酷似している。
Kseniya InternationalYoutubeチャンネル 配偶者に関する補足情報申請書I-130Aの記載方法
I-130の添付書類(私達が準備したもの)
- I-130のアメリカ人配偶者のアメリカパスポート規定の写真2枚 写真裏に鉛筆で名前記入
- I-130Aの外国人配偶者のアメリカパスポート規定の写真2枚 写真裏鉛筆で名前記入
- I-130のアメリカ人配偶者のアメリカパスポートコピー
- ★夫妻の結婚証明書コピー
- ★アメリカ人配偶者の為に日本政府に提出した身元保証書の英訳証明書
- ★アメリカ人配偶者の為に日本政府に提出した身元保証書の英訳版
- ★アメリカ人配偶者の為に日本政府に提出した身元保証書日本語版のコピー
- ★出会いから今までの選りすぐりの写真と写真の説明をまとめたパワポ作成書類 10ページ
- ★過去に友人から私達夫妻に送付された電子メールのコピー5通分
(★は結婚が本物であるという証明の為に準備した書類でI-485にも同じもの準備した)
I-485 ステータス変更申請書
● I-485 Application to Register Permanent Residence or Adjust Status 永住権登録/ステータス変更申請
この申請書は外国人がグリーンカードを申請する為に記入する申請書だ。多くの人がアジャストメントステータスと呼ぶ書類である。
Kseniya InternationalYoutubeチャンネル グリーンカード申請書 I-485の記載方法
・(I-485付属)I-693 Report of Immigration Medical Examination and Vaccination Record 健康診断と予防接種記録の報告書
この書類は大部分が健康診断フォームになっていて認定されている医師が記載し、完全に糊付けされた封筒に健康診断結果を準備してくれる。必ず糊付けした封書の状態でUSCISに提出しなければいけない。(この健康診断書については次回のブログの記事で詳しく書くのでこの記事では省略)
Kseniya InternationalYoutubeチャンネル I-693健康診断書類について
・(I-485付属)I-864 Affidavit of Support Under Section 213A of the INA 経済的な生活保証宣誓供述書
この申請書はアメリカ人が外国人配偶者の生活を保障するだけの財産があることを証明する為に要請する為に記入する書類だ。
Kseniya InternationalYoutubeチャンネル 経済的な生活保障宣誓供述書I-485の記載方法
I-485の添付書類(私達が準備したもの)
- I-485の外国人配偶者のアメリカパスポート規定の写真2枚 写真裏鉛筆で名前記入
- I-485の外国人配偶者日本のパスポートコピー
- 戸籍謄本の英訳証明書
- 戸籍謄本の英訳版
- 戸籍謄本のコピー
- 外国人のアメリカ入国時のI-94フォームのコピー(オンラインで取得可)
- ★夫妻の結婚証明書コピー
- ★アメリカ人配偶者の為に日本政府に提出した身元保証書の英訳証明書
- ★アメリカ人配偶者の為に日本政府に提出した身元保証書の英訳版
- ★アメリカ人配偶者の為に日本政府に提出した身元保証書日本語版のコピー
- ★出会いから今までの選りすぐりの写真と写真の説明をまとめたパワポ作成書類 10ページ
- ★過去に友人から私達夫妻に送付された電子メールのコピー5通分
- J1ビザとJ1ビザを取得した時のパスポートコピー(J1ビザを取得した過去がある為)
- 帰国用予約航空券のコピー(帰国する予定であったことを証明する為)
- (I-864用)アメリカ人配偶者の直近の米国連邦所得税申告書のコピー
- (I-864用)I-130のアメリカ人配偶者のアメリカパスポートコピー
(★は結婚が本物であるという証明の為に準備した書類でI-130にも同じもの準備した)
I-765 就労許可申請書
● I-765 Application for Employment Authorization 就労許可申請書
この申請書は外国人が就労許可を申請する為に記入する申請書だ。多くの人がワークパーミットと呼ぶ書類である。
Kseniya InternationalYoutubeチャンネル 就労許可証申請書I-765の記載方法
I-765の添付書類(私達が準備したもの)
- I-765の外国人配偶者のアメリカパスポート規定の写真2枚 写真裏鉛筆で名前記入
- I-765の外国人配偶者日本のパスポートコピー
I-131 渡航文書申請書
● I-131 Application for Travel Document 一時帰国渡航文書申請書
この申請書は外国人が一時帰国などの渡航許可を申請する為に記入する申請書だ。多くの人がアドバンスパロールと呼ぶ書類である。
Kseniya InternationalYoutubeチャンネル 一時帰国渡航文書申請書I-131の記載方法
I-131の添付書類(私達が準備したもの)
- 日本にいる病気の家族を見舞う為の特急処理嘆願書(特別な状況の為)
- I-131の外国人配偶者のアメリカパスポート規定の写真2枚 写真裏鉛筆で名前記入
- I-131の外国人配偶者日本のパスポートコピー
- 外国人のアメリカ入国時のI-94フォームのコピー(オンラインで取得可)
私の場合は、病気に苦しむ父親が日本にいるため、急いで申請を処理してほしいという嘆願書を提出している。
G-1145 申請書受理時の電子通知依頼書
● (確認書)G-1145 E-Notification of Application/Petition Acceptance 申請書受理時の電子通知依頼書
この申請書は申請書を一括して郵便でUSCISに送付する時にUSCISから書類を受け取ったと電子連絡を受けるために記入する申請書だ。
申請書がUSCISで受理されると、このG-1145申請書を利用しなくても各申請書それぞれの受理のお知らせの手紙がUSCISから一週間程で自宅に送られてくる。
この申請書にはUSCISに申請書が届いてから24時間以内に携帯電話のテキストメッセージ、若しくはEメールでお知らせを送ると記載されていたが、24時間では連絡は来なかった。
私の場合、USCISに私の書類が到着してから3日後に携帯電話のテキストメッセージで各申請書毎に受理をしたと連絡を受けた。
各添付書類について
結婚を証明するのに共有財産の証明書や、共同名義の賃貸契約書などがあればそういうものを提出するという説明をUSCISの手引書で読んだが、私達夫妻には正式文書に2人の名前が書かれた資産を思いつかず、独自の物を利用したりした。
どの申請書も手引書を読めばどんな書類を送付しなければいけないか説明があるので、やはりUSCISの手引書をよく読んで自分たちのケースではどんな書類を準備できるか考えて対応することが必要だと思う。
アメリカパスポート規定の証明写真
申請書の手引きには、申請書の必要添付書類となる証明写真の規定を事細かに記載している。余りの規定の細かさに、自分で写真を準備するのは諦めた。
近所のドラッグストアに行き、「パスポート写真をお願いします」といって写真を撮影してもらった。
簡易デジタルカメラで白地のパネルを背景に写真をサクッと撮影し、直ぐに印刷してくれるのだ。直ぐに写真を受取り、その場で店内の売り物の定規を拝借し、USCISの手引書通りのサイズになっているか確認してから店を後にした。
決して安くはなかったが、証明写真が規定サイズではないと申請書を却下されても面倒なので、我が家はドラッグストを利用したのだ。
アメリカ入国時のI-94フォームのコピー
I-485ステータス変更申請書と、I-131 渡航文書申請書の申請には、直近でアメリカに入国した際のI-94フォームのコピーが必要になるが、昔と違って今は空港での書類記入が省略されているのだ。
アメリカ入国時にI-94フォームなんて渡されていないと心配する必要はない。そもそもアメリカへの入国時に手に渡されているわけではない。
今の仕組みは、米国政府のI-94ウェブサイトにアクセスして、I-94フォームを入手できる。
I-94のウェブサイトにある、GET MOST RECENT I-94 タブをクリックするか、ページ内にあるボタンをクリックし、ページの利用について同意をして進めると、個人情報を入力するページが現れる。
名前、生年月日、パスポート番号と、パスポート発行国(国籍)を入力し進めると、自分が直近でアメリカに入国した情報が記載されたI-94フォームを取得できるようになっているのだ。
このI-94フォームのページを印刷してこのグリーンカードの申請の添付書類として利用する。
I-485ステータス変更申請書の質問事項には、このI-94フォームに書かれている情報も必要となる。
結婚が誠実なものであるという証拠資料
私達夫妻は、結婚生活10年を軽く超えているし、正真正銘誠実な結婚なのだとはいえ、証明を簡略化できるわけではない。
アメリカ人の配偶者としてグリーンカードを申請するにはしっかりと誠実な結婚が証明できる資料の準備が必要だと理解して、準備を進めた。
まずは、2人が出会ってから2024年までの選りすぐりの写真と写真の説明をまとめたものをパワポで 10ページ構成で作成した。
結婚式の集合写真、それぞれの家族と旅行に行った集合写真、二人でアチコチ海外旅行した写真全てに大まかな日付と説明を付けてまとめた。10ページも要らなかったかもしれないが、一緒に過ごした年数が長いので多くなってしまったのである。
2人を長い事知っている友人数名に上申書を書いてもらうことも有効なのだとUSCISの手引書にあったが、私達は違う方法を取った。
過去に受信した電子メールを使用したのだ。友人や、仕事関係の人、それに私達が属するキリスト教会から私達夫妻宛に送られたメールを5通程印刷し、エビデンスととして添付資料にした。
全て違う年に送られてきたもので、夫妻の名前が書かれ、やり取りしたメールを利用した。中には友人と私達夫妻の集合写真が貼られていたメールもあったし、キリスト教会からのメールには結婚式の細かな進行計画書もあった。
共有名義の資産などは思いつかなかったので、私は夫の為に日本政府に提出した、日本人の配偶者の在留申請書類の身元保証書のコピーを利用した。
翻訳書類も準備し、翻訳証明書も提出して、私達の結婚が誠実なものであると証明したのだ。
ベストを尽くして誠実に対応する
添付資料など、何を提出するべきか悩むところだ。
弁護士や、支援業者を雇っていたら、悩むことは殆どなかったかもしれない。
しかし、絶対これなら大丈夫という100%の確証があるわけでもなさそうだ。
そうなるとやはり自分でUSCISの資料をよく読み、YouTubeや、支援業者の情報を読んで、自己責任のもと、自分達に合う書類をしっかり考え判断して、誠実に準備すればいいのではないだろうか。
自力で申請書類一式をまとめUSCISに提出をしてしまった今、とりあえず私は待つのみなのである。
引き続き、アメリカ国内でアメリカ人配偶者のグリーンカード申請シリーズは続く。