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サービス業の本質があるレストラン

アメリカ暮らし

私はアレルギーなどは一切ないのだが偏食をする。好き嫌いが多いのだ。

子供の頃よりは大分マシになったが、今でも結構好き嫌いが激しくこだわりが多い。

そういう好き嫌いが激しい人にとってアメリカの外食は実に優しい。アレコレと自由に注文ができるのである。

アメリカに来てからそういうことが出来ると知って、私にとってのアメリカの外食は特別素敵なものになった。

私は小学生の頃からマクドナルドに行き始め、ハンバーガーも大好きになった。

しかし私は長年マクドナルドのハンバーガーに入っている玉ねぎに随分と苦労をしたものだ。いつも手を汚しながら紙ナプキンでごっそりケチャップにまみれたオニオンを取り除いていたのである。

私のハンバーガーには紙ナプキンの切れ端がついてしまっていることもあっただろうが、私にとっては紙ナプキンの切れ端を食べるほうが玉ねぎを食べるよりマシだったのだ。

母親はそんな私をみて「そんなことするなら食べなくていい!」と怒っていたが、それでも私は毎回せっせと小さな角切り玉ねぎを最後のひとつまでコソコソと取り除いていた。

本当は私はチーズバーガーも食べたかったのだが、熱々のチーズバーガーだとオニオンがチーズに埋ってしまってしまい、その小さなオニオンを取り去る作業が難しすぎるからという理由でいつもチーズバーガーを食べるのを諦めていた。

10年以上もそんなことを続けた私に転機が訪れた。

なんとマクドナルドはオニオン抜きとかピクルス抜きというリクエストに対応してくれる店だったのだ!こんな風にリクエストできると知ったのは私が18歳でアメリカに行ってからである。

私は子供の頃から好きでない物をとにかく出来るだけ食べたくないと、かなり頑固に徹底してきた。

学校給食では私は本当に苦労した。しかし学校の先生の方も私と同じくらい相当苦労ていたのかもしれない。私は嫌いなものを頑として食べなかったからだ。

給食を好き嫌いが理由で食べ残していると昼休みの遊びの時間が取り上げられる時代だった。仕方ないので私は自分の席に座り、食べ残している給食を眺めて昼休みを過ごすということを何度も経験した。

私にとっては昼休みの遊びよりも嫌いなものを食べないということの方が大事だったのだ。

マクドナルドの話にも書いたが、私は玉ねぎが苦手だ。

玉ねぎは相当細かくみじん切りされて食感が無くなる程煮込まれているか、サルサのように十分にマリネされている分には私も問題なく食べれるのだが、一番厄介なのは中途半端な大きさに切られ食感が残っている玉ねぎが入った料理である。

日本のマクドナルドで玉ねぎ抜きをお願いできると知った時には感動して小躍りするところであった。

今では日本にいてもかなり上手に苦手なものを避けて注文が出来るようになったのだが、それでもレストランでウェイトレスにアレコレ頼むのはなかなか難しい。

マニュアル通りの完璧な接客をしてくれているのだろうが、マニュアル以外のことを私が要求してしまうので、気まずい雰囲気になってしまうこともある。アルバイトさんに難易度の高い要求して困らせるつもりはないので早々に諦めて質問を取り下げることも多々ある。

日本だとステーキ専門店に行かなければ注文時に肉の焼き加減を聞かれることも無いのだから、食事は全てお店がベストだと思う形で提供するというのが日本のやり方ということになるのだろう。

これは日本のレストランの方針というか文化なのだろう。

私がアメリカに初めて訪れ、アメリカ在住の友人とレストランに行った時に私は衝撃を受けた。

友人のウェイトレスへの注文は「〇〇を頼みたいけど、コレコレが入っていたら抜いてくれ、ソレは別盛りでくれ。」とかやたら注文が多いのである。

友人の注文にも驚いたが、ウェイトレスの対応にも驚いた。だいたいの要求は難なく受け、どんな質問にも何でも聞けば答えてくれる。

これにはやはりアメリカのサービス産業の競争と、チップ文化が深く関係しているのだろう。

そもそもアメリカでレストランをやっていくにはこういったそれぞれの顧客の要望を満たして満足度を上げなければ客足も伸びないし、そもそもスタンダードなサービスということなのだろう。

加えてウェイトレスにとってチップは大事な稼ぎである。客に喜んでもらい、標準以上のチップを貰えるならとより良いサービスを提供してくれるようだ。

アメリカでもメニューにはカスタム対応不可能な場合もある。既に嫌いなものが一緒に煮込まれているものはどうしようもない。そんな時でも「これならどう?」とウェイトレスは別の提案をしてくれるのだ。

私はアレコレ面倒な要望を問題なく聞いて対応してくれるアメリカのレストランとウェイトレスのサービスは素晴らしいと思う。

好き嫌いが多い人、アレルギーが多い人にとってはアメリカのレストランはなかなかよいのではないだろうか?

日本でも小料理屋みたいな場所であれば対応してくれるかもしれないが、日本はどちらかというと「こっちはこだわってやっているのだ。だからうるさい客は来なくていい」というような部分があるように思う。

料理人には自分の料理にプライドがあり、アレを抜けコレを抜けいわれると彼らの芸術が損なわれてしまうのもしれないが、最終的に客が喜んでくれればいいのじゃないか?と私は思うのだ。

究極的にサービス業とは自分が良いと思うものを提供するのではなく、客が欲しいものを提供するものではないのだろうか?。

アドバイスとして、「このつけダレで食べるのが美味しいよ。」とか「これは塩でたべるのがいいよ。」と言うのは良いと思うが、最終的にそれに従って食べるかどうかは客次第でいいと思うのだ。

その通りに食べなかったからと言って、「わかってないな~」と頭を振られては客としての楽しい雰囲気が台無しになってしまうのだ。

客がどんなふうに食べるかを過剰に期待し、客のマナーが悪いという料理人の方がいたら私はサービス業というものを改めて考えてみてほしいと思う。

客が料理人の味付けを無視し、ガッツリ醤油をかけて食べていたとしても、最終的にその客が美味しかったと喜んで帰ったのならいいのではないだろうか。

私が好き嫌いが多いからか、意外にもアメリカのレストランのサービスの方がレベルが高いと感じてしまった。

平均点競争で言ったら日本のレストラン方がのサービスも味もコスパも断然上である。しかしアメリカにも美味しいレストランは沢山あり日本にはない気の利いたサービスがあったりするのだ。

ただし覚えておこう!アメリカのレストランではウェイトレスは呼ぶものではなく、待つものである。

いつまでも異常に待たされたら「エクスキューズミー」と通り過ぎるウェイトレスに声をかけるのはありだが、基本客はウェイトレスがテーブルに来るのを待つものだ。それを無視してテーブルに呼びつけるのはアメリカレストランのマナー違反になるので、気を付けよう!

ウェイトレスがテーブルに来たら、あれやこれや相談しながらオーダーするのも醍醐味だ。好き嫌いを伝えてオススメ品をオーダーするのも良い。食べ残したものを持ち帰るのも問題なく対応してくれる。

アメリカに旅行をしたら、地元で愛されるレストランで是非食事をして日本とは違うサービスを体験してみよう!

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